研究分担者 |
橋本 聖史 大阪大学, 工学部, 助手 (50183554)
豊貞 雅宏 九州大学, 工学部, 教授 (30188817)
藤本 由紀夫 広島大学, 工学部, 助教授 (60136140)
船木 俊彦 大阪大学, 工学部, 教授 (90029174)
岩田 光正 広島大学, 工学部, 教授 (80034346)
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配分額 *注記 |
9,400千円 (直接経費: 9,400千円)
1991年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1990年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
1989年度: 4,700千円 (直接経費: 4,700千円)
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研究概要 |
本年度は平成2年度までに提案した標準実働荷重モデルー有義波高が5mまでの平穏な海域と,5m以上の嵐状態の組合せで構成されるモデルーにおいて,有義波高が5mの海域を航行中の船に作用する応力を各構造部材の実働荷重下での疲労限に設定するという疲労設計法を新しく提案した。この疲労設計法によると,船舶・海洋構造物は有義波高5m以下での海域では疲労被害が生じず,有義波高5m以上の荒れた海域ーこの状態を6種類の大きさの異なる嵐及びその嵐への遭遇回数で表示ーで疲労被害が生じ,その寿命は嵐の大きさと遭遇回数で定められる。 この疲労設計法の安定性を検証するため,船体構造部材に多数存在しかつ損傷が見られる角まわし溶接部を対象とし,供試材にTMCP鋼を用い次の疲労試験を行った。すなわち標準実働荷重モデルを負荷する実験と,6種類の嵐を単独に負荷する2種類に実験で,平均応力は+100MPa,0MPa,ー100MPaであり,試験体は溶接部の残留応力が大きい場合と小さい場合の2種類である。試験結果から,各嵐の疲労被害度の比を求め,これを基に6種類の嵐がランダムに負荷される場合の寿命を予測し,実験結果と比較し良好な一致を得た。また各嵐の疲労被害度の比は平均応力及び残留応力の大きさに依存し,両者が大きいほど小さい嵐の被害量が大きい嵐に比べ増加することが判った。これらの結果を基に新疲労設計法の安全性を検討し,現行の寿命20年設計の観点からは十分安全であることを示すと共に,現行の船舶の疲労強度の面からの評価を試み,損傷実績を説明し得た。 更に,使用中の構造部の信頼性の検討のために構造部に発生する疲労損傷を対象に選び,検査の効果を組込んだ信頼性解析や検査計画の最適化を明らかにする目的で生涯コストミニマム基準の検査計画法を提案した。
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