研究分担者 |
中野 晋 徳島大学, 工学部, 講師 (50198157)
清水 義彦 群馬大学, 工学部, 助手 (70178995)
村上 正吾 京都大学, 工学部, 助手 (70166247)
辻本 哲郎 金沢大学, 工学部, 助教授 (20115885)
禰津 家久 京都大学, 工学部, 助教授 (30109029)
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配分額 *注記 |
5,800千円 (直接経費: 5,800千円)
1991年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1990年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1989年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
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研究概要 |
本研究では,従来別々に取り扱われてきた河川流砂,海岸標砂,湖沼域の底泥・底質の土砂輸送問題は,各種水域の境界条件下での乱流構造特性と砂粒子との相互作用に着目,その機構が明確になれば統一的に表示さわることを示した。すなわち境界条件が空間的に非一様である非定常流れのもとでの非平衡な移動床現象は,Pickーup rate,step lengthおよびmoving periodを構成要素とする確率モデルによって的確に表現され,その一般化されたモデルの枠組みが示された。 粒子運動の駆動力となる流れとして,非定常開水路流,振動流・一方向流の芝存場,植相を有する流れ場,礫床流れ,粗度急変流れ等の乱流構造特性が実験的,数値解析的に検討され,境界条件と乱流構造特性の本質が浮彫りにされる形で簡単な近似・実験式によって表現した。こうした種々の流れ場での流砂の運動特性量は、砂粒が従う運動方程式の確定論的な解に,水流と壁面境界条件に内包される不規則性の効果を確率論的に考慮,付加することによって,力学的合理性と現象との対応性において整合性のとれた形で評価された。各パラメ-タは実験値との対応も良好であり、モデル化の妥当性が確認された。 本研究では流砂機構や移動床過程に内存する遅れに注目,緩和過程という概念で,土砂輸送現象に現われる主要な非平衡現象の機構を明らかにした。こうしたシステム論的な立場からの緩和過程の記述は単に流砂に対してのみばかりではなく,水流の境界条件の時・空間的な変化に対する応答過程を記述でき,両者の担互作用系を簡潔に表現しえ,さらに複雑な条件下への対応性に富み,さらに発展する可能性を有していることも明らかになった。
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