研究分担者 |
小島 隆 東北大学, 工学部, 助手 (20192057)
杉本 文男 公害資源研究所, 主任研究官 (80124585)
松木 浩二 東北大学, 工学部, 助教授 (10108475)
大塚 尚寛 岩手大学, 工学部, 助教授 (40133904)
古住 光正 岩手大学, 工学部, 助教授 (20003874)
山冨 二郎 (山富 二郎) 東京大学, 工学部, 助教授 (70107548)
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研究概要 |
近年,鉱山などの資源開発の分野ばかりでなく,さまざまな方面での地下構造物の利用が検討されるようになり,これに伴う設計に当って,従来では考られていなかったオ-ダの深度や長期間での,岩石の静的あるいは繰り返し応力下における安定性や耐久性に関して確実な方法で評価する必要性が生じてきた。 この総合研究では,東北地区の岩石力学・岩盤工学を主たる研究分野とする3大学が,それぞれ最も得意とする分を分担して実験・研究し,総合して岩石構造物の長期安定設計のための設計指標をまとめようとした。 この研究期間において,計画の通り次の分担課題に関する実験の遂行・デ-タの収集を行い総合検討を行った。 秋田大学では,長期安定性の評価において最も重要な要因と考えられるクリ-プ特性を明らかにするため,2連式岩石クリ-プ試験装置を設計・製作し,特に一軸圧縮クリ-プ過程におけるひずみ速度挙動とAE発生挙動に着目した一連の試験を実施した。試験対象岩石は,東北地区に広く分布し工学的に問題視されている凝灰岩とした。また,秋田大学と東京大学では,岩石破壊における時間依存性に関して理論的・解折的研究を行った。 岩手大学では,2種の岩石を対象に,せん断疲労過程における破壊現象とFA発生挙動に関する試験を実施した。 東北大学では,2種の岩石を対象に,大気圧下および封圧下の三軸圧縮繰り返し疲労試験を実施した。また,地熱開発を意識して高温水環境下における岩石破壊の時間依存性に関する実験を行い,破壊機構としては応力腐食割れとして説明できることを明らかにした。 これらの研究において,特に耐久強度や耐久時間と一軸圧縮強度やヤング率など通常の物性値との関連性についての検討が不足していたことが反省事項の一つとして挙げられるが,結論として岩石の長期安定性を評価するには,現状では他の物性試験から簡単に推定できる段階ではなく,個々に耐久試験を実施して確認する必要があるといえる。
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