研究課題/領域番号 |
01302065
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研究種目 |
総合研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
超高層物理学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
加藤 進 京都大学, 超高層電波研究センター, 教授 (10025827)
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研究分担者 |
廣田 勇 京都大学, 理学部・地球物理学教室, 教授 (70025485)
岩坂 恭信 (岩坂 泰信) 名古屋大学, 大陽・地球環境研究所, 教授 (20022709)
山中 大学 京都大学, 超高層電波研究センター, 講師 (30183982)
津田 敏隆 京都大学, 超高層電波研究センター, 助教授 (30115886)
深尾 昌一郎 京都大学, 超高層電波研究センター, 教授 (30026249)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1990年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 中層大気 / 大気圏総合観測 / STEP / 各種レ-ダ-観測 / 衛星観測資料解析 / 大気波動 / 光化学過程 / 電離大気 |
研究概要 |
地球大気環境問題の解明への一つの鍵は、地上から超高層までの大気圏全体を一つのシステムとしてとらえることにある。中層大気(高度10〜100km)についての理解は、1980年代に実施されたMAP(中層大気国協同観測計画)を契機として飛躍的に深まった。次の段階として本研究では超高層(高度100〜1000km)及び下層大気(高度0〜10km)の物理化学的作用(フォ-ジング)に対する中層大気のレスポンスを明らかにし、これをもとに太陽地球系エネルギ-国際協同研究(STEP:1990〜95)への基盤を確立することを目的とした。 初年度である平成元年度は、超高層大気中の電磁気的作用あるいは地・海表面付近の熱的・力学的・化学的作用とこれに対する中層大気のレスポンスを明らかにするため、分担者間の情報交換並びに研究打ち合せを積極的に行った。その結果は以下の通りである。 1.下層大気から中層大気へのフォ-ジングの実態:MUレ-ダ-・RASS・ラジオゾンデ観測結果を統計的に解析し、特に各種大気波動の実態についての気候学的知見と今後の研究方針とを得た。 2.超高層大気から中層大気へのフォ-ジングの可能性:MUレ-ダ-・アイオンゾンデ観測結果を基に今後の研究方針を探った。 3.中層大気の力学的・化学的レスポンスの実態:レ-ザ-レ-ダ-・衛星観測結果ならびに既存理論を集約し、モデリングの基礎と今後の研究方針とを確立した。 最終年度は、前年度に確立した研究方針に従って、引続き分担者間の情報交換並びに研究打ち合せを行うとともに、前年度1〜3を集約して以下のような具体的成果を得た。 (i) インドネシア地域における赤道レ-ダ設達計画:中層大気への上下からのフォ-ジングが最も顕著に起こり、かつこれまで最先端的観測手段の投入がなされていなかったインドネシア地域において、本研究分担者を中心とした赤道レ-ダ-設立による飛躍的な研究の重要性が確立された。 (ii) DYANA計画および関連国内観測:STEPの予備計画として国際的に実施されたDYANA計画(1990年1〜3月)に積極的に参画し、本研究の本針の正しさを確立した。 (iii) 太陽地球系科学の21世紀への発展の展望:STEPに続く来世紀の重点的研究項目の堀り起こしを行い、大気圏上下結合メカニズムの解明のためには、(a)現在の最先端的観測の継続による長い時間スケ-ルの現象の検出、(b)力学・化学の両者の成果の比較・結合と物質輸送の研究、(c)新しい物理的視点および研究体制の確立、の3点が特に重要であることが結論として出された。
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