研究分担者 |
石賀 裕明 島根大学, 理学部, 助手 (80183002)
石田 啓祐 徳島大学, 教養部, 助教授 (20116776)
猪郷 久義 筑波大学, 地球科学系, 教授 (20015572)
相田 吉昭 秋田大学, 鉱山学部, 講師 (90167768)
足立 守 名古屋大学, 理学部, 助教授 (10113094)
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研究概要 |
本総合研究で得られた主たる成果は次のようにまとめられる。 1.日本のジュラ紀放散虫化石帯,日本産と外国産の化石個体そのものをクロスチェックすることにより,北アメリカやヨ-ロッバの化石帯と直接比較検討とした。完全な国際的化石帯を設定するには到らなかったものの,この研究により,日本と諸外国の化石帯の間にはどの様な不一致があるのかが明らかになった。 2.四国で新たに発見されたアンモナイト化石との比較により,ジュラ紀から白亜紀にかけての放散虫群集のいくつかの時代がより確実なものとなった。 3.アメリカ,メキノコ,ニュ-ジ-ランド,オ-ストラリア,中国,ソビエト連邦,フィリピン,インドネシアなどの国々から集められた,古生代〜中生代の放散虫を含む珪質岩を検討することにより,それぞれの岩石中の放散虫群集の持つ生物地理学的,緯度的,生態学的特徴が明かとなった。具体的には, (1)三畳紀中期〜ジュラ紀前期のチャ-ト,ジュラ紀中期〜後期の砕屑岩類は,中生代後期のアジア大陸縁辺域を特徴づける岩相であること. (2)ニュ-ジ-ランドではTethysとnonーTethysの動物群集が併置していること,などである. 4.インド洋や大西洋の堀削によって得られた,後の変形を受けていない保存良好な放散虫化石を検討することにより,日本のジュラ紀〜新生代の放散虫分帯の精度が大きく向上した. 5.いくつかの属種,例えば,ジュラ紀のEucyrtidiellumやTricolocapsaの系統学的な研究により,日本と諸外国の放散虫分帯の対比が容易となり,日本で作られた分帯が古生物学的なデ-タにより裏付けされた.
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