研究課題/領域番号 |
01304009
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研究種目 |
総合研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
人類学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
大塚 柳太郎 東京大学, 医学部, 助教授 (60010071)
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研究分担者 |
本郷 哲郎 東京大学, 医学部, 助手 (90199563)
稲岡 司 熊本大学, 医学部, 助手 (60176386)
河辺 俊雄 東京大学, 医学部, 助手 (80169763)
口蔵 幸雄 岐阜大学, 教養部, 助教授 (10153298)
片山 一道 京都大学, 理学部, 助教授 (70097921)
秋道 智彌 国立民族学博物館, 助教授 (60113429)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
5,200千円 (直接経費: 5,200千円)
1990年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1989年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
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キーワード | オセアニア / 形質人類学 / ヒトの成長 / 人類遺伝学 / 生業適応 / 栄養生態学 / 有病率 / 人口生態学 / 適応放散 / オ-ストロネシアン / 身体形質 / 遺伝形質 / 生計適応 / 栄養適応 / 環境適応 |
研究概要 |
オセアニアの人類諸集団の生物学的多様性を時間と空間の視点を重視して適応放散という切口から、各研究の分担テ-マに基づき総括した。主たるテ-マをカテゴリ-別に説明すると以下のようになる。 1.オセアニア地域への人類の移住時点以降,形質を経時的に分析すると,非オ-ストロネシア系とオ-ストロネシア系に区分されるだけでなく,過去約3千年間の変化に地域差のあることも示唆された。 2.成人の形態及び成長パタンのオセアニアにおける集団間の変動の大きさは,世界の集団間のそれに匹敵するほど大きいことが明らかになると同時に,その原因として環境適応特に宋養適応と関連する可能性が示唆された。 3.生業パタンの現生集団にみられる多様性は一方では生息地の環境条件に、他方では外来文化との接触による技術発展・伝播に起因し、その結果蛋白質摂取量等に著しい相異をもたらすことが明らかとなった。 4.オセアニアにおける食物の栄養素成分表には疑問点が多く、現時点で妥当と考えられる値を考察すると共に,主要栄養素だけでなく微量栄養素の摂取量に集団間差の大きいことが明らかとなった。 5.マラリアやウイルス性疾患の有病率にみられる集団間差は,生息地の環境条件だけでなく、外来文化との接触により大きく異なることが明らかとなり,長期間の適応の理解にキ-となることが示された。 6.長期間の人口変動については新石器時代のレベルで長期間推移し,過去数百年間に急速な増加に転じたことが示唆された。また、栄養状態や諸疾患の有病率の違いが人口変動の集団間差に大きく影響していることも示唆された。
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