研究課題/領域番号 |
01304014
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研究種目 |
総合研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
植物保護
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
久能 均 三重大学, 生物資源学部, 教授 (20024573)
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研究分担者 |
谷 利一 香川大学, 農学部, 教授 (50035961)
大内 成志 近畿大学, 農学部, 教授 (70026433)
奥 八郎 岡山大学, 農学部, 教授 (20033144)
道家 紀志 名古屋大学, 農学部, 教授 (80023472)
甲元 啓介 鳥取大学, 農学部, 教授 (80032093)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
21,400千円 (直接経費: 21,400千円)
1990年度: 10,000千円 (直接経費: 10,000千円)
1989年度: 11,400千円 (直接経費: 11,400千円)
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キーワード | 抵抗反応 / 病原性決定因子 / 抵抗性遺伝子 / 宿主特異的毒素 / サプレッサ- / エリシタ- / ウィルス細胞間移行 / 細胞拒否性 / ウイルス細胞間移行 / エリシッタ- |
研究概要 |
オオムギ子葉鞘を用いた細胞レベルの観察によって、菌の侵入以前に宿主細胞は菌の存在を認識し抵抗性誘導が開始されること、認識には細胞骨格が関与することが示され、菌一植物間の認識機構の一端が明らかにされた。病原性発現機構としての毒素の役割が解析され、イネいもち病菌毒素が電解質を漏出させること、タンゼリンbrown spot病菌のACT毒素がナシ黒斑病菌AK毒素やイチゴ黒斑病菌AF毒素類似の構造をもち、いずれも病原信号因子であることが明らかにされた。さらに、エンドウ褐紋病菌サプレッサ-が宿主原形質膜ATPase活性を特異的に阻害し、エリシタ-によって誘導される複数の防御反応を遅延させて組織を受容化させること、抵抗反応誘導にCa^<++>、O_2^-生成、プロテインキナ-ゼが関与すること、O_2^-生成反応の活性化抑制が病原菌の寄生戦略に重要であることなどが示され、病原性発現と抵抗性抑制の相互関連が明らかにされた。また、抵抗性に関与する病態リグニンの生成には、リグニン生合成の促進又は阻害物質の有無が重要な役割を果たしていることが証明され、さらにエンバク冠さび病感染葉からは過酸化脂質と推定される抵抗反応誘導物質が検出されて抵抗性発現に関わる因子の解析が前進した。交配による遺伝子解析によって、エンバク冠さび病抵抗性とビクトリン感受性の遺伝子の強い連鎖が明らかにされ、遺伝子レベルの成果も得られた。分子生物学的成果として、ナシ黒斑病菌の遺伝子操作技術や顕微注射法によるオオムギ細胞の形質転換技術が確立された。また、ダイズの病害抵抗反応を誘導するエリシタ-の遊離因子(β ー1,3ーエンドグルカナ-ゼ)のcDNAがクロ-ニングされ、この遺伝子を導入したタバコの耐病性が増強されることが示され、抵抗性発現機構が分子生物学的に解析された。さらに、CMV外皮タンパク遺伝子を導入した毛根病菌に感染したメロン葉片からCMV耐性再生体の作出に成功し、農業技術への応用が試みられた。
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