研究課題/領域番号 |
01304029
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研究種目 |
総合研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
医化学一般
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
市原 明 徳島大学, 酵素科学研究センター, 教授 (40035374)
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研究分担者 |
横沢 英良 北海道大学, 薬学部, 教授 (90012765)
佐々木 實 名古屋市立大学, 医学部, 教授 (10080003)
石浦 章一 国立精神神経センター神経研究所, 室長 (10158743)
猪飼 篤 東京工業大学, 理学部, 教授 (50011713)
田中 啓二 徳島大学, 酵素科学研究センター, 助手 (10108871)
石川 勝利 静岡大学, 理学部, 教授 (00008608)
村地 孝 京都大学, 医学部, 教授 (10089104)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
11,000千円 (直接経費: 11,000千円)
1990年度: 5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
1989年度: 6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
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キーワード | プロテアソ-ム / 多機能プロテア-ゼ / 多成分複合体 / 構造解析 / 高分子量プロテア-ゼ / 分子遺伝学 / 多機能プロテア-ゼ複合体 / 細胞内プロテア-ゼ / 20S環状粒子 / cDNAクロ-ニング / 発生と分化 |
研究概要 |
多機能プロテア-ゼ複合体は同一分子内に複数の触媒活性をもつ巨大な多成分集合体であり、プロテアソ-ムとも呼ばれている。本年はこの新種の細胞内プロテア-ゼの構造解析と生理機能解析について多角的に且つ組織的な研究を行った。 1. 構造解析研究 酵母、ラット及びヒトの主要成分(合計15個)のcDNAをクロ-ニングして、それらの一次構造を決定した。そり結果、プロテアソ-ムは既知の蛋白質群とのホモロジ-がなく、新種の分子群から構成された多成分複合体であることが判明した。しかし、同種及び異種生物のサブユニット群には高い相同性が認められたことから、プロテアソ-ムは進化的に保存された新しい遺伝子ファミリ-を形成していると想定された。また、電子顕微鏡で観察した分子形状の高い保存性はプロテアソ-ムの構造の維持が機能発現に重要であることを示唆している。 2.生理機能研究 プロテアソ-ムが初期発生、特に卵成熟や受精に密接に関係していることを解明すると共にその遺伝子発現が胎児期で極めて高いこと、またヒト肝・腎癌組織や白血病細胞で異常に亢進していることを発見した。更に、プロテアソ-ムが細胞分裂周期に応答して核と細胞質を往来していることが判明し、この酵素が細胞の増殖や分化に密接に関係していることが示唆された。このプロテアソ-ムの生理的意義を直接的に解明する為、本研究ではさらに酵母系を用い分子遺伝学的解析を行った。酵母プロテアソ-ムの主要成分の各々の染色体遺伝子をマ-カ-遺伝子による挿入破壊或は、遺伝子欠失法で不活性化した後、四分子分析でその表現型を調べた結果、ほとんどの場合、劣性致死効果を示した。このことはプロテアソ-ムの個々のサブユニットの必須性を証明すると共にこの複合体の形成が細胞増殖に不可欠であることを示唆している。
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