研究課題/領域番号 |
01304031
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研究種目 |
総合研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
志方 俊夫 日本大学, 医学部, 教授 (50009932)
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研究分担者 |
内田 俊和 日本大学, 医学部, 助教授 (80060078)
有馬 暉勝 鹿児島大学, 医学部, 教授 (10116428)
江角 真理子 日本大学, 医学部, 助教授 (60160363)
阿部 賢治 国立予防衛生研究所, 病理部, 研究官 (60130415)
清水 洋子 国立予防衛生研究所, 腸内ウイルス部, 研究官 (00142357)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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キーワード | 非A非B型肝炎 / C型肝炎 / C肝炎ウイルス遺伝子 / PCR法 / C型肝炎関連抗体 / C型肝炎ウイルス粒子 / 肝細胞癌 |
研究概要 |
輸血後の非A非B型肝炎の起因ウイルスの内メジャ-なものが遺伝子のクロ-ニングにより発見され、C型肝炎ウイルスと呼ばれるようになった。この仕事はアメリカのカイロン社によりなされたが、殆ど同時に全く独立して本研究班の有馬により成功されている。又志方のグル-プによりクロ-ニングされたC型肝炎ウイルスの株はカイロン社のものとかなり塩基配列が異なることも明らかになった。又阿部は感染したチンパンジ-の血清を濃縮して電子顕微鏡下にC型肝炎ウイルス粒子を証明した。又分担研究者の内臨床の研究者はC型肝炎ウイルスの抗体アッセイ系をつかって日本人の肝疾患でのC型肝炎に実態を明らかにした。急性肝炎では輸血後の非A非B型肝炎でその70%にHCV抗体が証明されるが、散発性の非A非B型肝炎では40%しかHCV抗体が証明されない。これはかなりの例の散発性の非A非B型肝炎をおこすのは別のウイルスであるのか、或は抗体アッセイ系が不備であるためか明らかではない。慢性肝炎、肝硬変、肝細胞癌ではHBs抗原陰性例では約70%にHCV抗体が証明されるが、HBs抗原陽性例でもかなりの症例でHCV抗体陽性で、重感染が証明された。従来アルコ-ル性肝障害と診断されていた症例にも高率にHCV抗体が証明され、C型肝炎ウイルスの関与が示唆された。肝細胞癌は最近日本人男性に著増しているがB型肝炎ウイルスに関連した症例の絶対数は増えておらず、最近の日本人の肝細胞癌の80%はC型肝炎ウイルスによるものと考えられる。流行性の非A非B型肝炎に関してはかにくいざるを使用しての感染実験、継代感染実験に成功し、感染した猿の胆汁から大量のウイルスをとることにも成功した。この起因ウイルスをE型肝炎ウイルスと呼ぶことになった。既にウイルス遺伝子のクロ-ニングに成功しまたPCRアッセイ系も確立しウイルス血症を証明した。
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