研究課題/領域番号 |
01304033
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研究種目 |
総合研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
細菌学
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
篠田 純男 岡山大学, 薬学部, 教授 (50029782)
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研究分担者 |
本田 武司 大阪大学, 微生物病研究所, 助教授 (60029808)
中澤 晶子 山口大学, 医学部, 教授 (40053053)
水口 康雄 産業医科大学, 医学部, 教授 (10072919)
櫻井 純 徳島文理大学, 薬学部, 教授 (80029800)
野田 公俊 千葉大学, 医学部, 教授 (60164703)
加藤 巌 千葉大学, 医学部, 教授 (40012702)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
8,500千円 (直接経費: 8,500千円)
1990年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
1989年度: 5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
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キーワード | 溶血毒素 / 細胞溶解毒 / 赤血球 / 腸炎ビブリオ / 黄色ブドウ球菌 / ウェルシュ菌 / Vibrio vulnificus / Pseudomonas cepatia |
研究概要 |
本研究では分担者相互の協力により、それぞれが次のような成果を得た。篠田はVibrio vnlnificusの溶血毒の精製を行ってその性状を調べ、動物種による感受性の差が赤血球膜への結合性の差と赤血球自身の対浸透圧性の差に起因することを明らかにした。また、種々の株の溶血毒を調べ、免疫学的に異なる溶血毒の産生株などを見出した。また、腸炎ビブリオのレシチン依存性溶血毒がユニ-クなPhospholipase活性をを持つことを示した。加藤と野田はブドウ球菌α毒素およびロイコシジンの作用機構について検討し、ともにADPーリボシルトランスフェラ-ゼ活性を持ちこれが膜孔形成への情報伝達に関与していることを示し、ロイコシジンのS成分とF成分の作用をさらに明確した。櫻井はウェルシュ菌α毒素の溶血作用がPhospholipase C作用などの他の生物活性とは別の作用部位に基づくことを見いだし、溶血作用や血管平滑筋収縮作用でのリン脂質代謝の変化を示した。本田は腸炎ビブリオ耐熱性溶血毒(TDH)の作用機構研究のため非溶血性変異株から溶血性のない変異毒素を調製し、アミノ酸配列を調べて90番目のグリシンがアスパラギンに置換されていることを示し、このグリシンが活性発現に重要であると推定し、他のビブリオのTDHとの異同を明かにした。水口は同じ腸炎ビブリオの遺伝子を大腸菌でクロ-ニングし、腸炎ビブリオ自身では通常の培養で発現していないが、大腸菌で発現する溶血素遺伝子を見出し、その産物である溶血素の精製を試み、病原性発現での役割を考察した。中澤はPseudomonas cepatiaがタンパク以外の成分からなる耐熱性溶血素を産生していることを見出してその性状の検討を行ない精製を進め、抗真菌作用などの生物作用を示し、さらにその遺伝子のクロ-ニングを行った。以上のように各菌の多様な細胞溶解毒について個々に進展が見られ、細胞溶解毒素の全体像の把握に有益な情報を提供することができた。
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