研究分担者 |
倉知 正佳 富山医科薬科大学, 医学部, 教授 (80019603)
高橋 三郎 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (20079916)
丹羽 真一 東京大学, 医学部, 助手 (30110703)
小島 卓也 東京医科歯科大学, 医学部, 講師 (40014203)
佐藤 光源 東北大学, 医学部, 教授 (70033321)
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研究概要 |
機能性精神病(精神分裂病や躁うつ病など)の病因については不明な点が多く,最近の大脳半球の機能分化と統合機能障害の面から,精神分裂病での左半球の過度賦活状態またはhypotrontality,認知障害,躁うつ病での右半球の過度賦活状態などがいわれているが,まだ仮説の域を出ていない。本研究班では,神経心理学的,神経生理学・精神生理学的(脳波,事象関連電位,CNV,眼球運動など),画像診断学的(局所脳血流,CT,MRIなど)方法を駆使して,機能性精神病の大脳半球の過度の機能分化の存否,その程度,統合機能障害の存否とその成因ならびに病態を明らかにし,機能性精神病の治療(特に社会復帰のための機能訓練)のためにも役立つ成果を得たいと企画して本研究に着手した。山口と倉知は精神分裂病の脳血流と脳画像,神経心理学的,精神生理学的所見との対応を検索し,動物実験による検討も行った。佐藤は精神分裂病における追跡眼球運動障害と衝動性眼球運動の抑制障害の神経機序について研究した。山内は精神分裂病における脳波基礎活動の左右差について,病態的意義の検討を行った。小島は投薬および無投薬精神分裂病患者の数唱課題負荷時のα波の変化を検討し,大態は精神分裂病者の睡眠脳波のトポグラフィ-的研究を行った。丹羽は難易度の高い三音弁別課題について反復練習を行った場合に,P300振幅・P300面積などがいかなる継時的変化を示すかを検討した。町山は精神分裂病における聴覚事象関連電位の性および利き手の要因による差違について検討した。高橋はうつ病患者における否定的認知とfeed back刺激提示前後のCNVの変動の相関を検討した。保崎は慢性分裂病の前頭葉機能障害の神経心理学的研究として,概念形成および推論過程に関する検討を行った。鳥居は慢性分裂病とアルツハイマ-型老年痴呆との神経心理学的比較を行い,分裂病患者の痴呆化の機序を検索した。
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