研究分担者 |
花村 典之 鶴見大学, 歯学部, 教授 (10064354)
川和 忠治 昭和大学, 歯学部, 教授 (30014103)
川添 尭彬 (川添 堯彬) 大阪歯科大学, 歯学部, 教授 (50076022)
石橋 寛二 岩手医科大学, 歯学部, 教授 (90018771)
川口 豊造 愛知学院大学, 歯学部, 教授 (60064820)
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研究概要 |
従来,生活環境中の金属による感作とアレルギ-性疾患はしばしば報告されているが,口腔内の補綴物の金属による感作や皮膚粘膜疾患については,これまで歯科医はほとんど注意を払うことがなかった.これは,その種の患者が,皮膚科医や内科医の治療を受けていたためである.今回我々は,14研究機関の総合研究班を組織し,歯科用金属18種についてパッチテスト陽性者の疫学的調査を行った。 研究は,先ず皮膚科学的知識を導入し,パッチテストの方法と皮膚反応の判定を規準化してスタ-トした.研究期間中3回の研究班会議を開き,研究の反省と問題の処理,研究計画の検討,結果の整理などを行った.最終的には,ボランティア,皮膚粘膜疾患を有する患者の合計1732名にパッチテストを行った.さらにパッチテスト陽性者に対しては,研究代表者井上らが科学研究費補助金(一般研究(A)No.61440081と試験研究(B)No.63870074)により開発した方法(口腔内補綴物から採取した約0.1mgの試料を,X線マイクロアナライザあるいは蛍光X線分析装置で分析)にて口腔内補綴物の金属組成をあきらかにし,パッチテストの結果との関連を追究した. その結果(1)全被験者におけるパッチテスト陽性者率,陰性者率,男女差,年齢差,(2)金属の種類と陽性率,(3)地域差,(4)パッチテスト陽性者と口腔内金属との関連,(5)疾患の種類と発症部位,(6)患者群のパッチテスト陽性率,(7)患者群の金属別パッチテスト陽性率,(8)ボランティア群と患者群のパッチテスト陽性率の比較,(9)試薬の濃度差による陽性率の比較,(10)試薬Mー9とMー11またはMー13シリ-ズの陽性率の比較,(11)絆創膏皮膏炎の発生率,(12)2種類の絆創膏による皮膏炎の発生率の比較,(13)パッチテストと確認テストの結果の比較,(14)パッチテスト期間中の皮膚反応の変化等,を検討するための多くのデ-タが得られた.
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