研究課題/領域番号 |
01306021
|
研究種目 |
総合研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
電子通信系統工学
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
甘利 俊一 東京大学, 工学部, 教授 (80010726)
|
研究分担者 |
酒田 英夫 日本大学, 医学部, 教授 (10073066)
清水 博 東京大学, 薬学部, 教授 (30037577)
鈴木 良次 東京大学, 工学部, 教授 (80013811)
杉江 昇 名古屋大学, 工学部, 教授 (30126867)
星宮 望 東北大学, 工学部, 教授 (50005394)
|
研究期間 (年度) |
1989
|
研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
|
配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
1989年度: 3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
|
キーワード | 神経回路 / 並列処理 / 連想記憶 / ランダム回路網 / ハイパ-メトリシティ / 海馬 / パタ-ン認識 / L.T.P. |
研究概要 |
神経回路の並列学習情報処理の構築を共通のテ-マとして研究を進めた結果以下のような研究結果を得た。 生理学的研究により、大脳皮質の下部側頭回の細胞の活動記録から、長期記憶と短期記憶の関係の解明に役立つ重要な知見が得られ、この実験結果は、連想記憶モデルや海馬のモデルの構築に大きな影響を与えた。 連想記憶モデルに関しては、スパ-ス・エンコ-ディングの採用によって飛躍的に記憶容量が増大することが理論的に明らかにされた。この発見は、脳の高次の部分における神経細胞の発火率の低さに合目的な説明を与えるものであり、また将来連想記憶の実用化の際には非常に有用となるはずである。またランダム回路網によるパタ-ンの処理によって、パタ-ン間にハイパ-・メトリシティと呼ばれる関係が生ずることが分かった。これは人間の基本的な思考パタ-ンのひとつである「分類」と関係がある可能性がある。 神経回路による並列計算を応用したモデルとして、感覚処理系としては、日本語の母音を学習認識できる神経回路による音声認識モデル、画面の一部から文字を切り出して認識できる選択的注意機構を持つ視覚系のモデル、状況判断のできる神経回路モデル、また制御系としては、人間の腕の動かし方とよく似た軌道を生成する、逆ダイナミクス内部モデルを用いた腕の最適軌道生成モデルなどの提案、研究がおこなわれ、良好な結果を得た。 より現実の脳に近いモデルとしては、海馬ニュ-ロンにおける長期増強のメカニズムとそのモデル、注視点決定のためのモデルなどの提案、研究がおこなわれ、これらも良好な結果を得た。
|