研究課題/領域番号 |
01420008
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研究種目 |
一般研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
固体物性
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
石黒 武彦 京都大学, 理学部, 教授 (50202982)
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研究分担者 |
杉 道夫 電子技術総合研究所, 首席研究官
野上 由夫 京都大学, 理学部, 助手 (10202251)
福留 秀雄 京都大学, 理学部, 教授 (90025289)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
31,300千円 (直接経費: 31,300千円)
1991年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
1990年度: 12,500千円 (直接経費: 12,500千円)
1989年度: 16,000千円 (直接経費: 16,000千円)
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キーワード | 分子集合膜 / ヘテロLB膜 / Langmuir-Blodgett膜 / フォノンスペクトロスコピー / フォノンストップバンド / 超伝導トンネル接合 / ギニエ効果(Guinier) / 格子力学 / 超格子膜 / フィボナッチ周期膜 / 超伝導ジョセフソン接合 / フォノンスペクトロスコピ- / バレンス・フォ-ス・モデル / 回折ベクトルの異常シフト / 回折線のシフト / 新しい秩序構造 / 超格子LB膜 / 準周期LB膜 / フォノン伝播 / 分子レベル |
研究概要 |
本研究はラングミュア・ブロジェット(LB)膜に代表される分子集合体とその構成分子の格子振動特性を中心とする力学的性質を超伝導体接合によるフォノンの放射・検出を利用した音響的フォノンスペクトロスコピー法により明らかにすることを主たる目標として進められた。 LB膜を構成する分子は鎖状で長くかつ軟らかい。超伝導体接合で扱いうるフォノンはこうした分子の周波数域をカバーすると考えられ、LB膜にとってもフォノンスペクトロスコピーにとっても新境地を開きうるものとみなして研究にとりかかった。フォノンスペクトロスコピー実験技術の開発・良質な各種LB膜の作成法の確立などに対処するうち当初予定の3年が経ち、この両者を結合させ所期の目標に手をのばすには更に一年を要した。この間、超伝導体接合フォノンスペクトロメータの開発に成功を収め、LB膜の実験技術を確立すると共に超格子LB膜における構造上の新事実を発見しその解明を行った。また、LB膜におけるフォノンストップバンドの観測に成功し、これによってLB膜構成分子の基本共振モードを初めて実験的にとらえることができた。フォノンストップバンドの観測は半導体超格子系を除いて始めてのことである。半導体超格子の単位構成要素は比較的単純なものであるが、LB膜分子の場合複雑な構造を持ち、理論モデルによる予想は困難で、実験的にとらえられることが先決とされる。特に機能性の高い分子の集合状態の格子力学的性質についての重要な知見を得る手段として、本研究において開発した手法は今後において活用さるべきものと思われる。
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