研究課題/領域番号 |
01420026
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研究種目 |
一般研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
電子材料工学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
佐々木 昭夫 京都大学, 工学部, 教授 (10025900)
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研究分担者 |
若原 昭浩 京都大学, 工学部, 助手 (00230912)
野田 進 京都大学, 工学部, 助教授 (10208358)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
34,100千円 (直接経費: 34,100千円)
1991年度: 4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
1990年度: 4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
1989年度: 25,200千円 (直接経費: 25,200千円)
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キーワード | 超格子 / 発光 / 不規則原子配列 / III-V族半導体 / 局在準位 / ホトルミネセンス / IIIーV族半導体 / 間接遷移発光 / AlAs / GaAs不規則超格子 / AlGaAs超格子 / 光物性 / 量子物性 / 時分解ホトルミネセンス / 光吸収 |
研究概要 |
本研究の目的は、ある方向には不規則性を、他の方向には規則性をもつ半導体を提案し、その半導体を実現することである。こうした結晶異方性をもつ半導体おいては、エピタキシアル成長が可能であると云う性質を失うことなく、不規則による新物性を創成することが出来る。組成の空間的な不規則は、超格子における各層幅を不規則に変えることによって実現する。これを不規則超格子と名付け、結晶異方性半導体の一種とする。また、各層幅が同じでも、組成そのものを不規則に変えたもの、また層幅不規則変化と組合せたものなどを考えることができる。 本研究では、層幅を不規則に変えた超格子をAlAs/GaAsで作製し、その光物性を調べた。その結果、次のような新しい性質の生じたことを観測した。(1)77Kにおける光励起発光で、同じ組成をもつバルク半導体、規則超格子に比べて、発光波長は少し長い方にずれるが、発光強度で、少なくとも500倍以上の強い発光を観測した。(2)間接遷移型半導体であるにも拘らず、音子の援用を受けることなく発光し得る。すなわち直接遷移型半導体に似た発光を行う。(3)不規則超格子を活性層に用いた発光デバイスから、通常の材料によるよりも、室温電流注入で、数倍明るい発光を得た。(4)時分解光励起発光の測定により、不規則超格子は、直接遷移型半導体より、発光の減衰時間は遅いが、間接遷移型半導体よりも速い値を得た。これらの結果を学術誌8編、国際会議発表論文1編にまとめて報告した。 以上の結果から、半導体に不規則を導入することにより、その半導体の発光機能を高め得ることを実証した。この考えを他の材料例えば、AlP/GaPおよびSiGe/Si系にも適用して、間接遷移型半導体の発光機能を高め得る方向に研究を発展させることができる。これらは、引き続き研究をおこなって行く予定である。
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