研究概要 |
1.生物活性イリドイド類の系統的合成. (1)ペンステマイドおよびジドロバルトレ-トの合成。大量入手可能な光学活性(+)ーゲニピンを出発原料に選び、官能基変換により高効率に抗腫瘍性イリドイド・ペンステマイドアグリコンとジドロバルトレ-トの合成を達成した。(2)アラマンジシンおよびプルメリシンの合成・抗菌、抗腫瘍性を有する両イリドイドを同じく(+)ーゲニピンを出発原料に選び、高効率にその活性体の合成を達成した。(3)セコロガニン・セコイリドイド類の合成。(+)ーゲニピンを原料に用い、γーヒドロキシスタナンの新しい酸化開裂反応を経てセコロガニシリルエ-テルの合成を達成した。そのほか、スエロサイド、キンジサイド、モロノサイド、ゲンチオピクロサイドのアグリコンシリルエ-テルトサラセニンの合成を達成した。(4)ペチオジア-ルの合成と絶対構造.海藻から得られるジテルペン・ペチオジア-ルをゲニピンから合成し、その絶対構造を決定した。(5)ネペタラクト-ルおよびネオマタタビオ-ルの合成.アブラムシの性誘引物質ネペタラクト-ルとヨツボシクサカゲロウの誘引物貭ネオマタタビオ-ルを(+)ーゲニピンから合成した。(6)(+)ーテコマニンの合成.血糖降下作用を有するモノテルペンアルカロイドのテコマニンを(+)ーゲニピンから合成することに成功した。 2.(±)ージョルキノライドA,B,Eの合成.ブテノリド環を有するアビエタン型ジテルペンで抗菌、抗腫瘍性があり、分子内Wittig反応によるブテノリド環の生成反応を経てその最初の全合成を達成した。 3.新反応の開発研究.2ーメトキシ1,3ーブタジエンの立体選択的合成法、環状ペルオキシドの合成法、αーヘテロ原子置換シリコン化合物の電極酸化反応を開発した。
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