研究分担者 |
細田 宏 東北大学, 薬学部, 助教授 (10004607)
佐藤 進 東北大学, 薬学部, 教授 (80004604)
野副 重男 東北大学, 薬学部, 教授 (50013305)
福本 圭一郎 東北大学, 薬学部, 教授 (50004586)
金子 主税 東北大学, 薬学部, 教授 (40013833)
南原 利夫 東北大学, 薬学部, 教授 (30004534)
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配分額 *注記 |
29,000千円 (直接経費: 29,000千円)
1991年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1990年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
1989年度: 22,000千円 (直接経費: 22,000千円)
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研究概要 |
本研究は昭和62年度に助成を受けた,生理活性物質の開発を指向した1,2,4ートリアジン誘導体の合成研究(一般研究(B),課題番号61470144)を積極的に発展させたものである.この研究の過程で1,2,4ートリアジン類(以下asーTと略)の中に,目的の血小板凝集阻止作用は示さないものの,すぐれた降圧作用を示す化合物が見出された.その際,薬効評価を依頼した東北大学薬学部佐藤進教授の下で,心血管系に作動する薬物の検定に効率の高い方法が開発されたこともあって被検化合物をasーTという合成品に限定することなく,各種天然物やその合成中間体にまで拡大する目的で,多くの学内専門家を分担者として組織するだけでなく,佐藤教授を評価部門の分担者として加え,プロジェクトを発足させた. 個々の研究成果は,年度毎に報告しているので,細部は省略するが,3年間の研究を通じて,以下の成果が得られた. 1)asーTの3ーカルボン酸誘導体に降圧作用を示す化合物が多い.ただし,その作用は必ずしも強くないので,この中から現在使用されている降圧薬を越える化合物を見出すことは期待し難い。 2)asーTの環内窒素を除去した形のジアジンαーカルボン酸のうち,6ーアルキルアミノー3ーピリダジンカルボン酸に満足すべき作用が見出された.これは化合物の塩基性が増し,キレ-ト形成能が強化されるためと考えられ親油性を高めながら塩基性をも増す置換基の導入が有効と結論される. 3)その他の化合物(天然物合成中間体等)からは有効な物質が見出されなかった.従って,今後実用性の高い心血管系作動薬を開発するためには,α位にカルボキシル基またはそれと等価の置換基を持つ化合物を中心に探索するのが,確率の高い方向であると結論づけられる. 4)本研究を通して,合成化学的に種々の興味深い知見が得られたことは,一つの収獲であった.
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