研究課題/領域番号 |
01430024
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研究種目 |
一般研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生体物性学
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
阿久津 秀雄 横浜国立大学, 工学部, 教授 (60029965)
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研究分担者 |
河合 剛太 東京大学, 工学部, 助手 (70211860)
宮澤 辰雄 横浜国立大学, 工学部, 教授 (60029931)
仁木 克己 横浜国立大学, 工学部, 教授 (00017899)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
26,200千円 (直接経費: 26,200千円)
1991年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1990年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1989年度: 22,000千円 (直接経費: 22,000千円)
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キーワード | 電子伝達タンパク質 / チトクロムC_3 / 核磁気共鳴 / 酸化還元電位 / チヘムタンパク質 / ヘム間電子移動 / 電子移動速度 / 電子伝達 / 電子移動反応 / ^1HーNMR / 電極界面反応 / 遺伝子のクロ-ニング / ^1H-NMR |
研究概要 |
本研究では特異な性質を持つヘムタンパク質であるチトクロムC_3におけるヘム間電子移動制御の機構を芳香族アミノ酸に焦点を当てて調べた。研究を進めるに当ってはNMRの高い分解能と結晶構造解析の情報を組み合わせることを基本方針とした。まず、チトクロムC_3のアミノ酸残基の選択的重水素化により、芳香族アミノ酸由来のNMRシグナルの帰属を行った。そのため、硫酸還元菌の化学培地による大量培養法を確立した。具体的にはフェニルアラニン、チロシン、ヒスチジン残基を個別に重水素化し、観測可能な全てのシグナルを同定し、大多数のものの一次構造上の位置を明らかにした。これをもとに、電子移動における芳香族アミノ酸の役割の一部を明らかにするとともに、今後の全面展開の基礎をつくった。さらに、電子移動を制御する基本パラメ-タである個々のヘムの酸化還元電位を解析する方法を確立し、32ケの微視的酸化還元電位を見積った。次に、核オ-バ-ハウザ-効果を用いて、ヘムメチル基の部位特異的帰属を行った。これにより、微視的酸化還元電位と結晶構造中のヘムとし対応関係が確立された。この帰属に基き、フェニルアラニン20を狭む二つのヘムは片方に電子が入るともう一方にも電子が入りやすくなるという協同的相互作用を示すことが明らかになった。又、ヘムの露出度の大きいものほど酸化還元電位は低くなる傾向にあり、stellwagenらが主張しているヘムの露出度と酸化還元電位の関係を定性的には満足している。個々のヘムの酸化還元電位と結晶構造中のヘムとの間の対応関係が確立されたことにより、今後NMRによって得られる物理化学的情報を精緻な構造情報に基づいて解析していくことが可能になった。又、チトクロムC_3分子間、及び電極との間の電子移動速度についても解析を行った。蛋白質工学的研究は、遺伝子のクロ-ニングには成功したが、発現系の確立が今後の課題として残された。
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