研究課題/領域番号 |
01440010
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研究種目 |
一般研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
蚕糸学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
古賀 克己 九州大学, 農学部, 教授 (40038261)
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研究分担者 |
伴野 豊 九州大学, 農学部, 助手 (50192711)
藤井 博 九州大学, 農学部, 助学授 (10038268)
河口 豊 九州大学, 農学部, 助教授 (80038306)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
30,000千円 (直接経費: 30,000千円)
1992年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1991年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
1990年度: 7,700千円 (直接経費: 7,700千円)
1989年度: 16,300千円 (直接経費: 16,300千円)
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キーワード | メッセンジャーRNA / Bombyx mori / 胚休眠 / ヒートショックタンパク質 / 大卵・小卵突然変異 / 体液タンパク質 / メッセンジャ-RNA / ヒ-トショックタンパク質 / メッセンジャ-RNA, / Bombyx mori, / 胚休眠, / アルドラ-ゼアイソザイム / 母性mRNA |
研究概要 |
受精前後、休眠開始前、休止状態および熱塩酸処理によって発生を開始させたカイコ卵を対象としてmRNAの動態を無細胞翻訳系で追求し、in vivoで合成されるタンパク質の種類をミクロインジェクションで調べた。その結果、さほど大きな変動がないという意外な事実が明らかとなった。タンパク質合成速度も激動するこのような発生の節目の時期において、個々のタンパク質の翻訳後の機能分化などが重要な役割を演じているものと思われる。次に、卵の熱塩酸処理に依存して、hsp70様タンパク質が誘導合成されることを見出した。これはストレスタンパク質の一種であり、苛酷な熱塩酸刺激を受けた卵が胚発生を全く正常に進める事実が、この分子によるストレス解除によって初めて説明できるようになった。また、mRNAが働く場としての卵のサイズに着目した。生物のサイズの問題は重要であり、その上限・下限は遺伝的に厳密に調節されている。ところがカイコ卵の突然変異では、容易にこの制限が突破される。ここでは大卵および小卵突然変異の解析とホルモンによる表型模写を行い突破機構に関する理解を深めた。さらに卵の形が変る腎臓形卵突然変異kiにおいてmRNAの量的・質的差異が胚発生後期にみられることを見出した。最後に、母性mRNAの活性修飾因子としての卵成分があるとすれば、それは世代循環因子すなわち母体の体液から転移したものであろうとの想定から、体液タンパク質に着目し、世代循環タンパク質の代表としてのキモトリプシンインヒビター、および発生時期特異性を育する若齢期特異的タンパク質Pylの動態を詳細に追究した。以上、カイコ胚は遺伝子発現の追究の格好の系であることを最確認すると共に有効な新知見を得た。最近では補乳類の胚にもまた休眠が起ることが知られている。今回の成果はカイコにおいてこれまで得られている広くかつ深い理解と合わせ生物学一般への寄与が大であると考える。
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