研究課題/領域番号 |
01440014
|
研究種目 |
一般研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
水産学一般
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
羽田野 六男 北海道大学, 水産学部, 教授 (80001600)
|
研究分担者 |
佐藤 修 北海道大学, 水産学部, 名誉教授 (70001568)
高橋 是太郎 北海道大学, 水産学部, 助教授 (90125328)
原 彰彦 北海道大学, 水産学部, 助教授 (40091483)
山内 晧平 北海道大学, 水産学部, 助教授 (10109514)
山田 寿郎 北海道大学, 水産学部, 教授 (60001575)
安藤 清一 北海道大学, 水産学部, 助手 (80131986)
|
研究期間 (年度) |
1989 – 1991
|
研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
|
配分額 *注記 |
21,000千円 (直接経費: 21,000千円)
1991年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1990年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
1989年度: 15,000千円 (直接経費: 15,000千円)
|
キーワード | サケ科魚類 / 産卵回遊 / 性成熟 / 体成分 / 品質基準 / 甲状腺ホルモン / 性ステロイドホルモン / 魚群行動 / 生殖腺 / 骨代謝 / 脂質代謝 / トリグリイセリッド合成 / 性ステロイド / ビテロゲニン / カロテノイド / リポタンパク / カルシウム |
研究概要 |
太平洋サケマスの回遊について、生物学的・生化学的特性に関する知見が乏しいことから、これらの回遊を生物科学的に解析し、併せて性成熟と肉質の関係について検討した。 (1)産卵回遊と生理・北洋生活の索餌回遊から母川回帰への産卵回遊に転換する際には、甲状腺ホルモン(チロキシン)が引き金となり、このホルモンが性成熟開始と母川記憶の呼び戻しにも関係している。また、河川遡上ベニサケの良好な肉質は性ホルモン量が低いことに原因がある。 (2)太平洋サケマスの魚群生態:海洋生活時の魚群行動は水塊の動き、餌料の分布、海水温などに左右され、ミクロ的にはランダムである。 (3)降海行動と生理:降海に伴う海水適応能は甲状腺ホルモンと性ホルモンが関与し、銀化によって向上することから、ベニサケとサクラマスの放流適時期を設定した。また、これらのホルモンは幼魚時における母川記銘にも関係している。 (4)産卵期の生化学:沿岸接岸時には卵黄タンパク質前駆体ビテロゲニンが減少、卵黄形成が完了している。サケマスは2種の卵黄タンパク質から構成されるが、30Kのタンパク質のサブユニットは魚種によって相違がある。また、生殖に関係するカロテノイド代謝機構は、サケ属型とイワナ属型に大別される。 (5)サケの品質:産卵期のサケの体成分の消耗は、生殖巣の発達と飢餓によるほか、筋肉と肝臓における脂質とタンパク質の生合成能の低下にも起因している。また、美味と判定される産卵期シロサケの条件(肉色a≧14、脂質含量2-2.5g/100g以上)を設定し、画像処理による品質基準化を行い、業界に提案した。 本研究によって、今後は商品価値が高いベニサケとサクラマスの放流事業と回帰サケマスの有効利用が一層進展するものと期待される。
|