研究課題/領域番号 |
01440019
|
研究種目 |
一般研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経解剖学
|
研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
伊藤 博信 日本医科大学, 医学部, 教授 (30046065)
|
研究分担者 |
岸田 令次 山口大学, 医学部, 教授 (50046132)
吉本 正美 日本医科大学, 医学部, 助手 (00182832)
上野 則之 日本医科大学, 医学部, 助手 (20184955)
田沼 久美子 日本医科大学, 医学部, 助教授 (90090977)
|
研究期間 (年度) |
1989 – 1990
|
研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
|
配分額 *注記 |
15,600千円 (直接経費: 15,600千円)
1990年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
1989年度: 12,300千円 (直接経費: 12,300千円)
|
キーワード | 視蓋 / 視覚 / 体性感覚 / 三叉神経 / 相関中枢 / 情報処理 / 硬骨魚類 / 爬虫類 |
研究概要 |
1)硬骨魚類の視蓋:テラピアの三叉神経一次感覚核からの線維は視蓋のSGC層内に同側優立に終末し、網膜からの線維は反対側の視蓋のSFGS層を中心として終わることを確認した。これの視蓋の二つの層に特異的に樹状突起を伸ばす細胞はNucleus corticalis(NC)の細胞であることから、この細胞群が三叉神経の一般体性感覚と視覚を相関させている可能性が高いと思われた。そこで、NCがCorpus glomerulosum(CG)に投射していることを利用して、CGにHRPを注入し、NCのニュ-ロンを逆行性に標識し、電子顕微鏡で観察した。標識された樹状突起にはS2,S4,S5,F2などの神経終末がシナプスを形成していた。眼球を摘出したところ、S2が変性し、網膜由来の終末と判明した。三叉神経の一次の感覚核にbiocytinを注入し同側の視蓋を電子顕微鏡で検索したところ、S4とS5が標識された。F2は前シナプス性樹状突起と思われた。この結果、NCの細胞が視覚と一般体性感覚の情報を同時に受れ取る可能性が非常に高いと思われた。現在、S2,S4,S5が同時にシナプスする標識された樹状突起を検討中である。 2)爬虫類の視蓋:ボ-ルパイハンの赤外線に受容する三叉神経の一次感覚核である外側下行路核にHRPを注入したところ、反対側視蓋に第5ー13層に順行性に標識された終末が出現した。第6ー8層には特に高密度に存在した。一方視神経にHRPを注入すると、標識終末は第7bー13層に現われ、12,13層に高密度であった。この結果、外側下行路核と網膜からの終末は第7bー13層の重複して分布することが判明した。次に、これらの2種類の情報を同時に受容する細胞があるか否かを検討するため、ゴルジ染色し樹状突起の枝分かれによって細胞を分類した。その結果、第6ー8層内と第12,13層内の二カ所で枝分かれし、外側下行路核と網膜からの線維を同時に受け取る可能性のある細胞が同定された。現在同一個体の三叉神経外側下行路核にbiocytinを注入し、視神経を切断して電子顕微鏡用の試料とし、biocytinによって標識された終末と変性した終末がこのニュ-トロン上に同時にシナプスするか否かを検索中である。
|