研究課題/領域番号 |
01440031
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研究種目 |
一般研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
細菌学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
吉川 昌之介 東京大学, 医科学研究所, 教授 (80012714)
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研究分担者 |
岡田 信彦 東京大学, 医科学研究所, 助手 (80194364)
福田 一郎 東京大学, 医科学研究所, 助手 (10242108)
戸辺 亨 東京大学, 医科学研究所, 助手 (70207596)
笹川 千尋 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (70114494)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
28,700千円 (直接経費: 28,700千円)
1992年度: 4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
1991年度: 5,400千円 (直接経費: 5,400千円)
1990年度: 7,900千円 (直接経費: 7,900千円)
1989年度: 10,600千円 (直接経費: 10,600千円)
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キーワード | 赤痢菌 / ビルレンス / ビルレンス遺伝子 / 染色体 / 染色体地図 / 下痢 / 細胞間拡散 / 遺伝子調節 / 細胞性赤痢 / 細胞侵入 / NotI切断地図 / トランスポソン / 病原性 |
研究概要 |
赤痢菌は回腸上皮細胞へ侵入後増殖しつつ隣接細胞へ再侵入を操り返し、これを通じて上皮細胞を変性え死させ最終的に血性下痢を惹起する。本菌の病原性を決定する遺伝子群は染色体と大プラスミド上に各々知られ、大プラスミドのビルレンス遺伝子の研究は近年著るしい進展をみたが、染色体上のものに関する研究は乏しかった。さらに本研究に先立ち行われた大プラスミド上のビルレンス遺伝子研究の結果、それらは細胞侵入、蛋白の分泌、細胞拡散、遺伝子調節の4つの機能に関与していることが明らかとなった。又これらビルレンス遺伝子の発現は、染色体上の遺伝子から様々な調節を受けていることが示唆された。本研究はこれらの理由から、赤痢菌染色体上のビルレンス遺伝子群の病原性に果す役割を明らかにする目的で、以下に示す方法論を中心に過去4年間研究を実施し多くの成果をあげることができた。本研究では(1)Tn5(一部Tn10)ランダム挿入法によるビルレンス喪失変異株の単離、(2)ビルレンス変異株のビルレンス関連形質の解析、(3)染色体Not断片地図の作製とビルレンス領域のマッピング、(4)ビルレンス領域の遺伝子解析(塩基配列の決定、産物の同定等)を行い、染色体上のビルレンス領域に関して以下の知見を得た。B群赤痢菌YSH6000株の染色体上に少なくとも11ヶのビルレンス領域を同定し、Not断片地図上にマップした。これらビルレンス領域は(I)リポ多糖合成、(II)細胞内増殖、(III)細胞間拡散、(IV)大プラスミド上のビルレンス遺伝子発現調節の4つの機能のいずれかに関与していた。本研究では(III)と(IV)に関与する遺伝子群につき詳細な解析を実施し、それらのビルレンスに果す役割を分子レべルで明らかにすることができ、その成果はすでに一部論文としてあるいは総説として発表し高い評価を受けている。
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