研究課題/領域番号 |
01440033
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研究種目 |
一般研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
免疫学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
多田 富雄 東京大学, 医学部・医学科, 教授 (10009136)
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研究分担者 |
清木 誠 東京大学, 医学部・医学科, 助手 (50226619)
佐野 公仁夫 東京大学, 医学部・医学科, 助手 (20192601)
烏山 一 東京大学, 医学部・医学科, 助手 (60195013)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
19,500千円 (直接経費: 19,500千円)
1990年度: 8,300千円 (直接経費: 8,300千円)
1989年度: 11,200千円 (直接経費: 11,200千円)
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キーワード | IーJ / 主要組織適合遺伝子複合体 / 抑制性T細胞 / ヘルパ-T細胞 / Caイオンの流入 / シグナルトランスダクション / T細胞レセプタ- / 適応分化 / 二次元ゲル / 抗原認識 / 細胞間相互作用 / 拘束特異性 |
研究概要 |
IーJは、免疫抑制性T細胞(Ts)および抑制因子(TsF)に表現される分子として同定され、やがて広く免疫抑制の回路構成に関わる分子として巾広い追究を受けてきた。しかし、その分子構造、機能構造、遺伝子の構成と構造に関しては全く不明で、その解明が急がれてきた。 本研究において、われわれはまずIーJ遺伝子表現の高い多数のT細クロ-ンを確立し、生化学的な分子の同定、細胞生物学的な機能の解明、さらに新しいモノクロ-ナル抗体を用いての遺伝子の同定と遺伝子構成の解明を行なってきた。以下にその概要を述べる。 1、同種抗IーJモノクロ-ナル抗体によって、T細胞クロ-ンの可溶化上清より免疫沈降法によって同定したIーJ分子は、分子量86Kで、44Kの糖蛋白2本からなる二量体蛋白であることがわかった。この蛋白は、他の二量体蛋白であるT細胞レセプタ-(TcR)、MHCクラスII抗原などとは異なる新しい蛋であることが証明された。 2、T細胞クロ-ンを用いて、細胞表面におけるIーJ分子を、抗IーJ抗体で架橋すること、抗原刺激によって起こるCa^<2+>の流入が完全に阻止される。抗CD3抗体による架橋によって起こるCa^<2+>の流入は抑えない。したがってIーJは、TCRとCD3の間に介在する分子であることがわかった。またIーJには、チロシンキナ-ゼfynが結合していることが証明され、T細胞におけるシグナル転換の統御に関与する分子であることがわかった。 3、異種の抗IーJ抗体を確立し、免疫沈降法で解折した結果は、IーJとMHCクラスI抗原の間に共通構造が存在することがわかった。これらの異種抗体では、86K、44Kの分子のほかに、40K、66Kなどの不均一な分子群が沈降される。IーJがこれらの分子群を決定する多重遺伝子族によってコ-ドされていることがわかった。
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