研究分担者 |
今川 重彦 自治医科大学, 医学部, 助手 (60231164)
三論 哲義 (三輪 哲義) 自治医科大学, 医学部, 講師 (40200224)
室井 一男 自治医科大学, 医学部, 助手 (50190939)
小松 則夫 自治医科大学, 医学部, 助手 (50186798)
須田 年生 自治医科大学, 医学部, 助教授 (60118453)
畠 清彦 自治医科大学, 医学部, 講師 (80192699)
倉田 寛一 自治医科大学, 医学部, 助手 (90215038)
高木 省治郎 自治医科大学, 医学部, 講師 (20158992)
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配分額 *注記 |
29,100千円 (直接経費: 29,100千円)
1991年度: 4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
1990年度: 5,300千円 (直接経費: 5,300千円)
1989年度: 19,300千円 (直接経費: 19,300千円)
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研究概要 |
造血組織にわずかにふくまれる多能性幹細胞を濃縮純化し,増殖因子に対する反応性等をふくめた増殖能,分化能の調節機構を解明し,臨床的応用に資することが本研究の目的である. 1)ヒト幹細胞については,幹細胞に主として表現されるCD34抗原,又分化した造血細胞に発現するCD33等の分化抗原の発現をモノクロ-ナル抗体と蛍光励起細胞分離装置を用いて分離したところCD34^+CD33^-の細胞は未分化な幹細胞を含み,これにILー3を加えるとCD34^-CD33^+の形質に変化ののち他のサイトカインの作用により成熟血球へと分化することがわかった.分離した細胞の自己骨髄移植等への応用を検討した. 2)マウスでは多くの基礎実験ののち,cーKit+,SCA-1+,分化抗原陰性の細胞分割に最も未熟な幹細胞が含まれ,それらの少数を致死量放射線照射マウスに移植すると造血組織を再構成出来ることがわかった. 3)ヒト,マウス共幹細胞は円型中型で未熟な核をもち,少量の顆粒を含む好塩基性の細胞質の細胞であることが実体として証明された. 4)ヒト巨核球性白血病から樹立した株細胞UTー7はGMーCSF,ILー3,エリスロポエチン,ILー6などのサイトカインに受容体をもち増殖依頼性で巨核球系,および赤芽球系へと分化することから,幹細胞のモデルとしても興味深い.この細胞のエリトロポエチン受容体の機能につき詳しく検討した.また分化したUTー7細胞より抽出したムコ多糖を精製して親株細胞に加えるとUTー7の分化がおこることが明らかになった. 5)Bリンパ球,破骨細胞の起源につき上述の培養系を用いて検討し,又ILー7や支持細胞の役割についても検討した. 6)新しく入手した糖鎖抗体からヒト白血病細胞は認識し,未分化な正常幹細胞は認識しないものを見出し,臨床的応用への可能性も検討した. 以上3年間の研究は順調に進んだ.
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