研究課題/領域番号 |
01440056
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研究種目 |
一般研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
胸部外科学
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
岡田 慶夫 滋賀医科大学, 医学部, 副学長 (10106825)
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研究分担者 |
朝倉 庄志 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (90222570)
安田 雄司 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (60191128)
藤野 昇三 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (10209075)
加藤 弘文 滋賀医科大学, 医学部, 講師 (20111974)
森 渥視 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (80026971)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
24,700千円 (直接経費: 24,700千円)
1992年度: 4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
1991年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1990年度: 5,700千円 (直接経費: 5,700千円)
1989年度: 11,700千円 (直接経費: 11,700千円)
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キーワード | 人工肺 / 保存肺 / ガス交換能 / 単純浸漬保存 / 固定肺 / ^1H-MRI / 肺移植 / 湿 / 乾重量比 / 酸素添加装置 / 異種肺移植 / 信号強度 / 肺水分量 / 乾燥重量比 / 温阻血 / 活性化酸素 / PGEI / SOD / 細胞骨格 / 保存時間 / 肺機能 / 灌流固定 / 酸素化能 / 肺表面血流量 / 肺コンプライアンス / 定常流、拍動流 / AーB barrier |
研究概要 |
生体肺のもつ長所を保存し、しかも耐久性を高め、抗原性をなくした人工肺を作ることを目標に、以下の諸研究を行った。 1.摘出遊離肺の機能評価装置の開発:摘出遊離肺を酸素化血によって潅流保存し、間歇的に静脈血を潅流して各々の時点における気道抵抗、肺動脈圧、ガス交換能などを総合的評価できる装置を考案、開発した。 2.保存肺の機能評価:1.の装置を用いて、摘出保存肺のガス交換能を経時的に評価し、至摘保存条件を検討した。単純浸漬保存家兎肺では、48時間保存で機能は良好に保たれたが、72時間保存では有意に低下した。 3.固定肺のガス交換能:肺機能が可及的良好に保たれる固定法を検討した。10%formalin、0.625%glutaraldehyde、4%paraformaldehyde+0.325%glutaraldehydeの3種類の固定液中、paraformaldehydeとglutaraldehydeの混合液が、最も優れており、新鮮肺にほぼ匹敵するガス交換能が得られた。 4.異種血液の潅流とガス交換能:生体肺を種を越えて人工肺として利用できるか否かについて検討した。犬摘出肺を用いて家兎血に対するガス交換能を検討した結果、十分にガス交換能が保たれることが判明した。 5. ^1H-MRIによる肺の画像診断:保存肺、移植肺の機能保存度の非侵襲的判定方法として、MRIによる評価を試みた。即ち、ガス交換能に影響する肺水分動態を、MR画像から評価した。家兎保存肺から得られた各種パラメーターは、肺水分量の指標である湿/乾重量比と相関した。 以上の結果から、固定条件が適切であれば、固定肺でも新鮮肺に匹敵するガス交換能が保持されること、異種肺でもガス交換能を発揮すること、肺のガス交換能の低下は水腫性変化によるair-blood barrierの肥厚に起因するが、これを非侵襲的に検出するにはMRIが有効であることが判明した。今後は肺の固定法の改善をはかるベきであり、微量の固定液も遺残させない方法もしくは物理学的固定方法の開発が必要である。
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