研究課題/領域番号 |
01440064
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研究種目 |
一般研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
麻酔学
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
石川 敬三 (石川 敏三) (1990) 山口大学, 医学部, 助手 (90034991)
武下 浩 (1989) 山口大学, 医学部, 教授 (50034898)
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研究分担者 |
山本 智久 山口大学, 医学部附属病院, 助手 (10144940)
立石 彰男 山口大学, 医学部附属病院, 助手 (00155102)
坂部 武史 山口大学, 医学部, 助教授 (40035225)
前川 剛志 山口大学, 医学部附属病院, 助教授 (60034972)
石川 敏三 山口大学, 医学部, 助手 (90034991)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
12,800千円 (直接経費: 12,800千円)
1990年度: 3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
1989年度: 9,100千円 (直接経費: 9,100千円)
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キーワード | 脳虚血 / 虚血性神経細胞障害 / 神経伝達物質 / 受容体 / カルシウム蓄積 / 記憶障害 / 薬物治療 / マイクロダイアリ-シス |
研究概要 |
虚血性脳障害の病態は多角的解明が進み、なかでも遅発性神経細胞壊死についてはCa homeostasisや神経伝達物質の異常が密接に関与することが示唆されている。本研究は、一過性前脳虚血モデルを用い虚血による神経伝達物質の変調と脳内Ca蓄積及び記憶・行動異常との関連を明らかにし、薬物療法に関する基礎的知見を得ることを目的とした。[方法及び結界]1。神経伝達物質の変調:虚血によりbrain dialysisによる線状体の細胞外液中glutamate(Glu)は2倍に、またdopamine(DA)は約20倍に増加したが、再灌流3分後には正常化した。このDA放出亢進はpentobarbital(PB:GABA agonist)あるいはωーconotoxine(電位依存性Cablocker)で抑制された。一方、再灌流7日後に ^3H QNB(mACh)特異的結合が低下し、nimodipine(NIM)あるいはbifemelane(BIF)は中隔と海馬で改善し、また ^3H Glu 特異的結合の低下もNIM(大脳皮質、海馬)あるいはBIF(中隔)で改善した。2.細胞傷害:再灌流7日後には海馬CA1が最も重篤に、大脳皮質と線状体が軽度に神経細胞脱落が起き、Ca濃度(原子吸光法)は大脳皮質と海馬で増加した。NIMとPBはCa蓄積を抑制し、Sーadenosyl methionine(SAMe)も軽減した。3.記憶・行動異常:再灌流後7日間条件回避反応は障害されたが、NIM,PBあるいはBIFは記憶保持が可能であった。一方、自発運動量の亢進をPBあるいはSAMeは抑制した。[まとめ]一過性脳虚血後のGluやDAの過剰放出がシナプス前後細胞内へのCa異常流入を起すことが、その後の神経細胞傷害に密接に関与する可能性が示唆され、この神経伝達物質の過剰放出は海馬をはじめ脆弱細胞のGluやmACh受容体結合を低下し、虚血後の記憶・行動異常と関連すると考えられる。さらに、Ca blocker,GABA agonistのほか神経伝達物質調整作用を有する薬物や、細胞膜構成蛋白の合成促進作用を有する薬物は細胞膜障害の軽減や修復に有用と考えられた。
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