研究分担者 |
斎田 哲 三重大学, 医学部・附属病院, 助手 (60205630)
平田 圭甫 三重大学, 医学部, 助手 (70199066)
浜口 幸吉 三重大学, 医学部, 助手 (80172964)
間島 雄一 三重大学, 医学部・附属病院, 講師 (60024791)
鵜飼 幸太郎 三重大学, 医学部, 助教授 (80024735)
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研究概要 |
本研究の目的の一つである上気道の産生機序については,1.鼻アレルギ-の水様性鼻濡,慢制副鼻腔炎上顎洞貯留液の産生に上皮のイオン輸送に伴う水の移動が重要な役割を果たしていることが明らかになった。2.モノクロナ-ル抗体を用いて漿液腺細胞のみを特異的に認識することが可能となり,種々の気道疾患における漿液腺細胞と粘液腺細胞の役割を明らかにする可能性を得た。3.慢性副鼻腔炎患者鼻腔粘膜の分泌細胞の定量的組識化学により,固定鼻腔腺細胞の増成が本症における鼻濡過多の一因となっていることが示唆された。本研究のもう一つの目的である上気道液の物性と組成に関する研究では種々の角度より検討がなされたが,4.慢性副鼻腔鼻汁の粘稠度の決定因子として鼻汁中の糖蛋白,特にフコ-スが最も重要であることに明らかにした。5.鼻汁中の各細胞成分を定量的に測定する方法を初めて確立し,今後は各鼻疾患における炎症細胞の役割を検討する予定である。6.鼻汁中に含まれる蛋白分解酵素であるプロテア-ゼとその拮抗物質の検討によりプロテア-ゼの一つであるカテプシンBとB様チオ-ルプロテア-ゼが炎症の遷延化に重要であることを明らかにした。7.鼻汁中の好中球由来のプロテア-ゼ(エラスタ-ゼ)の測定法を開発し粘液の粘性部分と漿液性部分の好中球エラスタ-ゼ濃度を測定し前者が高値であることを示した。8.また慢性化膿性中耳炎の緑膿菌プロテア-ゼ活性の測定し緑膿菌感染による本症の慢性化の糸口を示した。9.急性および滲出性中耳炎中耳腔貯留液中のエンドキシン,プロテア-ゼ活性を測定し,エンドトキシンが好中球遊走を促進し,遊走した好中球のプロテア-ゼが炎症を遷延化することを示した。10.またこのような物質を含んだ中耳腔貯留液が織毛運動に影響を示すことを明らかにした。
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