研究課題/領域番号 |
01440076
|
研究種目 |
一般研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
機能系基礎歯科学
|
研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
小椋 秀亮 東京医科歯科大学, 歯学部, 教授 (20013831)
|
研究分担者 |
澄川 万紀 東京医科歯科大学, 歯学部, (教務職員)技官 (10216492)
俣木 志朗 長崎大学, 歯科部, 助教授 (80157221)
大谷 啓一 東京医科歯科大学, 歯学部, 助教授 (10126211)
天野 均 昭和大学, 歯学部, 助手 (90212571)
|
研究期間 (年度) |
1989 – 1990
|
研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
|
配分額 *注記 |
17,000千円 (直接経費: 17,000千円)
1990年度: 5,800千円 (直接経費: 5,800千円)
1989年度: 11,200千円 (直接経費: 11,200千円)
|
キーワード | 歯槽骨 / 骨吸収 / 低Ca食 / 骨形態計測 / 破骨細胞 / 微小管 / コルヒチン / 低カルシウム食 / osteoporosis |
研究概要 |
1.低Ca食(0.05% Ca,0.35% P)飼育ラットを用いた実験的骨吸収モデルにおける大臼歯歯根部の歯槽骨吸収の様相を形態学的に検索したところ、骨吸収は実験開始後直ちに、歯根周囲の海綿骨に発現したが、固有歯槽骨に吸収像が観察されないことから、歯牙支持機能としての歯槽骨の機能は維持されていると推定される特徴ある骨吸収像を示した。 2.歯槽骨吸収の進行した状態からの骨量の回復過程を検索する目的で、ラットを低Ca食で9日間飼育したのち、正常Ca食(0.5% Ca,0.35% P)に切換えて11日間飼育した結果、骨吸収像は急速に改善されることが確かめられた。しかし、その骨量の回復状態は骨吸収量に達することはなかったので、いったん吸収された骨量を正常Ca食により回復するためには、骨吸収を起こすために必要な低Ca食による飼育期間よりも、さらに長い飼育期間を要することが示唆された。 3.ラット脛骨より単離した破骨細胞に微小管阻害薬であるcolchicineを作用させたところ、微小管の消矢にともなって細胞が収縮し、各部分が別個の細胞のように分離し、運動するようになる現象が観察された。この所見から、微小管は細胞骨格として破骨細胞の形態を維持し、また細胞各部分の運動を統御して、破骨細胞が一つにまとまった細胞体として運動する上で重要な役割を果している可能性が示唆された。 以上の結果より、低Ca食飼育ラットを用いた実験的骨吸収モデルは、食餌中のCa含有量を加減することにより骨吸収の進行を制御することが可能なことから、骨吸収、骨形成メカニズムの解明あるいは低Ca状態に起因する骨吸収の回復手段の究明に有用な実験系であることが示された。また、破骨細胞の運動性に微小管にどの細胞骨格系が重要な機能を果していることが明らかにされた。
|