研究概要 |
1.DNAプロ-ブによるRFLPと交配実験及びin situ分子交雑法による遺伝子の染色体へのあてはめ。 (1)Angiotensinogen (Ang):cDNAを用い11近交系ラットの核DNAへの交雑はHindIII,PstI,PvuIIでRFLPが見付かり、3個の復対立遺伝子が検出された。2組の交配実験では他の16遺伝子座との連鎖は認められなかったが、in situ分子交雑より、この遺伝子は19qにあてはめられた。 (2)Insulinー1(Insー1):蛍光in situ分子交雑法によりInsー1遺伝子は1q55にあてはめられ、11近交系で4種のRFLPが検出された。しかし3組の交配実験で他の22遺伝子座との連鎖は認められなかった。第1染色体にあるc, Hbbとの連鎖にも認められず、Insー1はこれらとは遠く離れた位地にあると思われる。 (3)Renin (Ren):蛍光in situ分子交雑法によりRenは13q1にあてはめられ、11近交系で5個の復対立遺伝子が見付けられた。これはRen遺伝子中の第1 intoronにあるVNTRによるものである。Renは2組の交配実験により、Fhと20cM、Pepー3とは13cMにあることが判明し、第13染色体上FhーRenーPepー3の順にあることが判った。 (4)β2ーmicroglobulin(B2m):B2mはDral,KpnI, TaqIでRELPが見付けられ、2組の戻し交配実験でziと2及び9cM、 Haoー1と6cM、Svpー1と29cMの連鎖が検出された。又B2mは体細胞交雑法により第3染色体にあてはめられた。 2.体細胞交雑法による生化学的遺伝子の染色体へのあてはめ。マウスミェロ-マSp2細胞とラット胸腺細胞の体細胞交雑法による18個の雑種細胞クロ-ンが作出された。この細胞クロ-ンパネルにより、新たな21の生化学的遺伝子が、それぞれ第1,2,3,4,7,8,9,10,12,13,14,15,19,20染色体ヘあてはめられ、更にAcpー1及びGloー1がそれぞれ第6及び第20染色体にあることが再確認された。
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