研究課題/領域番号 |
01450001
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
哲学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
渡辺 二郎 東京大学, 文学部, 教授 (60011285)
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研究分担者 |
榊原 哲也 東京大学, 文学部, 助手 (20205727)
高山 守 東京大学, 文学部, 助教授 (20121460)
天野 正幸 東京大学, 文学部, 助教授 (40107173)
松永 澄夫 東京大学, 文学部, 助教授 (30097282)
坂部 恵 東京大学, 文学部, 教授 (30012503)
菊池 恵善 東京大学, 文学部, 助手 (30186192)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
1990年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1989年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 存在論 / 実体 / 本質 / 原因 / 形而上学 / 否定性 / 超越論的主観性 / 言語分析 / ウ-シア- / 法則の概念 / 表現 / リンギスティック・タ-ン / イデア論 / 弁証法 / 現象学 / 時間 / 言語 |
研究概要 |
我々は、まず「存在論の歴史的考察」に力を注ぎ(平成元年度)、次いで「現代における存在論の体系的展開の試み」を行う(平成2年度)、という形で、各人が各々の分野で「存在論的思索」を結実させるべく、一貫した研究を遂行した。天野は、プラトン・アリストテレスの超越的イデア論批伴によって確立された、内在的イデア論とでも言うべきアリストテレスの存在論に焦点を当て、それが根本的にはウ-シア-論であるということを明らかにし、そのウ-シア-概念が本質と実体という二義性を持つことを解明した。松永は、近代イギリス経験論における実体概念と原因概念との関係、及び近代科学と近代哲学における事実の概念と法則の概念との関係、を追究した。坂部は、ヴォルフやバウムガルテンなど「ドイツ学校形而上学」における存在論の基礎概念がカントにおいてどのように改変されつつ受容されたか、を詳細に検討した。高山は、ヘ-ゲルの『論理学』における「物」、「現象」、「法則」等の存在概念の論究を通して、「存在」に内在する「否定性」(「無性」)の役割の解明を試みた。榊原は、フッサ-ル現象学に即して、その初期時間論についての基礎的考察を行い、また「超越論的主観性に遡って存在問題を究極的に解明する」という彼の問題設定の意味とその方法を解明した。森は、ハイデッガ-の存在論に依拠しつつ、言語と存在との間に見られる「相関的アプリオリ」を究明した。渡邊は、一方で、現代ドイツのハイデッガ-を中心とする現象学的存在論の考究を深め、昨年のハイデッガ-生誕百年記念の機会に、彼の存在論的探究の意義を米独で講述し(講演の趣旨をドイツ本国でドイツ語で発表)、またそれにもとづいたフレ-ゲ・ラッセルの存在概念批判を同じくドイツ本国でドイツ語で発表すると共に、他方で、現代英米哲学の言語分析の思潮を詳密に検討吟味する著作を完成させた(1991年3月20日刊行予定)。 このように、我々の「存在論的思索」は、研究分担者各自の積極的な努力によって、少なからぬ新たな知見に基づいて、満足すべき成果を得たと思使われる。この成果は、本年度末に、研究成果報告書として刊行された。
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