研究課題/領域番号 |
01450006
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
美学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
渡邊 守章 東京大学, 教養学部, 教授 (60012332)
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研究分担者 |
小林 康夫 東京大学, 教養学部, 助教授 (60153623)
杉橋 陽一 東京大学, 教養学部, 助教授 (50015278)
蓮實 重彦 東京大学, 教養学部, 教授 (30012454)
高辻 知義 東京大学, 教養学部, 教授 (80012467)
高橋 康也 東京大学, 教養学部, 教授 (20012297)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
1990年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1989年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
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キーワード | 演劇性 / 前衛芸芳 / 表象 / 芸術の受容 / パフォ-マンス / 映像 / 舞台構造 / マス・メディア / 前衛芸術 |
研究概要 |
1.本研究の目的のひとつは、〈演劇性〉という概念を鍛え直すことを通じて、20世紀の芸術表象を総合性に理解することを可能にするような理論的モデルを構築することにあったが、その目的は、なによりも本来の演劇ジャンルにおける(1)メタ・シアタ-空間の理論化、(2)観客や受け手の存在を含んだ受容空間のモデル化という二つの作業を通じて充分に実現されたと言える。とりわけ、こうした理論化作業が、たえず具体的な演劇作品(『天守物語』、『ハムレット』、『かもめ』)の実践的な分析へとフィ-ドバックされ、言わば現場において検討されたことの意味はきわめて大きい。こうした実践的な分析には、ヴィデオ機作などを用いた映像的分析が実験的に行われ、そうした技術的な分析方法論の確立に関してもこれまでにない知見が得られた。 2.また、この理論的な作業と平行して、そこで得られた知見を様々な分野の芸術表象に実際に適用して分析を行い、20世紀芸術の演劇的な本質を明らかにする作業が行われた。音楽、映像、文学、美術、パフォ-マンスなど多くのジャンルが取り上げられ、各ジャンルの個別性と同時に、それを超えた一般的な認識論ー実践論的な枠組みが抽出された。その結果として、〈演劇性〉のモデルと不可分に連接した問題としての言語表象の(演劇性〉という新しい問題圏が浮上してきた。(演劇性〉のモデルのいっそう深化のために探索しなければならない地平が、言語と身体という二重の問題圏の重なりのうちに垣間見られたことは、将来の研究の発展への大きな展望となった。 3.以上により、本研究は、表象文化論という視座からの総合的、相関的な芸術研究の豊かな可能性を開示するという大きな成果をもたらしたと総括することができる。
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