研究概要 |
平成3年度は,(1)施設サ-ビス,(2)訪問看護サ-ビス,(3)ホ-ムヘルプサ-ビス,(4)デイセンタ-サ-ビス,(5)ボランティア活動,の5つの分野における調査を行った。このうち,(1)の施設サ-ビスに関しては,岐阜県池田町のS特別養護老人ホ-ムにおいて,入居者の移動補助具に関する調査及び,職員の介護動作に関する研究を行った。(2)に関しては,前年度に引き続き,訪問看護サ-ビスと市の他のサ-ビスに関する行政資料の収集,分析を行った,(3)に関しても,前年度に引き続き,調布市ゆうあい福祉公社のサ-ビス提供状況と市ホ-ムヘルプサ-ビスとの関連に関する研究を行った。(4)に関しては,東京都下の幾つかのデイサ-ビスセンタ-におけるサ-ビス利用者の基本調査を行ない,資料を収集した。(5)は新しく開始した項目であり,東京都武蔵野市ボランティアセンタ-武蔵野における活動紹介事例の検討を行った。これらの研究を通して明らかになったことは,在宅保健福祉サ-ビスの組織化を奉えるばあい,十分な公的サ-ビス資源の整備が行なわれないと,保健婦や看護婦,ソ-シャルワ-カ-,コ-ディネ-タ-などによる調整がうまくゆかず,これらの専門職の専門性が発揮できないこと,資源の面では,公的サ-ビスが対応すべき部分を,住民参加型のホ-ムヘルパ-やボランティア活動が担うことになり,特に介護サ-ビス面での負担が増大して,公私の割分担に関する疑問が投げかけられるようになること,施設のベッド数が少ない段階では,大量の在宅要援護者が十分な援助を受けられないまま,在宅で放置される可能性があり,諸サ-ビスのシステム化が必要であることが明らかになった。
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