研究概要 |
女性の社会的地位を規定しあるいは妨げている要因を社会学的に究明するために次のような研究と活動を行い、その結果を発表した。1、日本の女性の地位と役割に関する実証的研究(「報告書」所収)(1)山形県内の高校生の母親2500名を対象にアンケ-ト調査を実施しその結果を分析した。(2)70才代の高年女性7名についてライフヒストリ-を中心に面接による調査を実施した。ー以上(1)(2)の調査から次のことが明らかになった。(1)女性の就業は、それが直ちに男女役割分担の柔軟化や女性の自立意識の発展を意味するものではないが、そのための第一歩となりうることは確実である。(2)女性には、自分に期待されている性別役割を受容しようとする意識と、能力に応じて役割を果たすべきだとする意識とが並存し、互いに葛藤している。女性の地位と役割の改善のためにはこの葛藤要因の分析・解明・解決が必要である。(3)性別役割分業のうち女性にとって特に大きな負担は子供の養育と老親介護である。女性の地位と役割の向上のためには、そのような家庭内役割から女性を解放するための社会的施策を講じることが必要である。 2.女性の地位と役割に関する内外文献の整備とデ-タベ-スの作成(1)内外文献110冊の収集(2)文献2000冊について文献検索用リストの作成 3.研究代表者による研究成果の発表(1)口頭発表(1)「短期大学の構造と役割」日本教育社会学会,平成1年10月7日(2)「女性の役割意識の構造」日本教育社会学会,平成2年10月7日(2)出版物;「女性と教育ー女子教育の歴史とこれから」(『ミズコメットガイドブック』所収)山形県企画調整部,平成2年3月 4.女性の地位と役割,女性解放運動の動向などについての文献による国際比較;アメリカ,韓国,台湾その他の東南アジア諸国(継続して研究中)
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