研究課題/領域番号 |
01450055
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
東洋史
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
長崎 暢子 東京大学, 教養学部, 教授 (70012979)
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研究分担者 |
並木 頼寿 東京大学, 教養学部, 助教授 (80155986)
若林 正丈 東京大学, 教養学部, 助教授 (60114716)
古田 元夫 東京大学, 教養学部, 助教授 (50114632)
山内 昌之 東京大学, 教養学部, 助教授 (80158071)
丸山 松幸 東京大学, 教養学部, 教授 (40012471)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
1990年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1989年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
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キーワード | 国民統合 / 宗教圏 / 文化圏 / 民族粉争 / 宗教的対立 / 地域社会 / 宗教的小数派 / 分離運動 / 民族紛争 / 宗教的少数派 |
研究概要 |
本研究の成果として、第一に、学術的に相互交流が活発化している現状を利用して、日本に訪問中のアジア諸地域の研究者を招き、連続して公開研究会を開催して、情報の収集と研究視角の再検討を行った。アジア諸地域の研究者の問題意識に広く触れることができたことにより、大きな成果が得られた。 第二に、研究対象地域における現実のさまざまな民族対立、宗教的粉争、地域的な分離主義の動きなどに刺激されつつ、それぞれの宗教・文化圏における問題の在り方を比較、対照することができた。各地域に即していえば、東アジア(儒教文化圏)では、中国について、国民統合と歴史的な統一帝国の観念の関係、中央政府と地方の独自性の関係などについて検討し、台湾について、新たなアイデンティティの形成過程を検討した。中央アジア・中東(イスラム文化圏)では、社会主義的中央政府と民族宗教地域の関係、宗教的小数派に由来する政治的社会的問題などについて検討した。南アジア(ヒンドゥ-文化圏)については、ヒンドゥ-、イスラムの二大宗教の対立と融和の実態を、域内諸国の分離独立過程に即して検討した。 第三に、上述の各地域に共通して取り上げられるべき問題として、近代的な国民国家の体制が、民族的な集団や宗教的集団との間に生じている予盾や軋轢について検討した。また同一のエスニシティに属することが国家の側からは強調されるような地域における政治的特殊性や経済的格差の拡大によるアイデンティティの分裂の問題を明らかにした。この問題は、ナショナリズムとエスニシティの相互連関をどのようにとらえるかという問題と関連して、今後の研究の進展に展望を与えるものである。 課題の大きさに比べると、本研究の二年間の成果は必ずしも充分なものではないが、今後の研究への一定の寄与を期して「研究成果報告書」を作成した。
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