研究概要 |
本研究の目的は,日米両国に分散している小泉八雲の第一資料を集成し,その整理と文献的な統合を企り,それによって既に出版されている作品集の本文校訂を行なう途を開くことにある。 この目的を達成するために,国内外の図書館の協力により,資料のマイクロ化を進め,また各コレクションの目録を入手して,その統合を企った。三年間の研究計画に沿って,所定の目標を達成することができた。以下その主要な研究成果を並記する。 1.国内外の31コレクションから,約2万点の資料項目を入手し,その整理統合を企って,約8,700項目から成る「小泉八雲コレクション国際総合目録」を出版した。 2.未整理のままになっていた自筆書簡・草稿を調査し,未刊行の資料の存在を明らかにし,逐次公表を続けた。 3.前記総合目録に含めなかった小コレクションの八雲関係資料を蒐集し,新たに創設されたコレクションおよび最近数年間の研究成果を加えた約2,300項目から成る総合目録補巻を出版した。 4.島根大学附属図書館が,松江における小泉八雲研究のための情報センタ-の一環として機能しうるように,そのハ-ン文庫に可能な限りの整備を行なった。 5.明治期の山陰地方の民族,文学,美術に関する文献を含め,未整理のままにおかれていた資料の発掘整理を行い,今後の研究の進展を可能にする研究環境の整備を行なった。
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