研究分担者 |
新沢 秀則 神戸商科大学, 商経学部・経済研究所, 助教授 (40172605)
平 覚 神戸商科大学, 商経学部・国際商学科, 助教授 (20163149)
太田 博史 神戸商科大学, 商経学部・国際商学科, 助教授 (50118006)
加藤 直樹 神戸商科大学, 商経学部・管理学科, 教授 (40145826)
北野 正一 神戸商科大学, 商経学部・経済学科, 教授 (40097879)
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研究概要 |
今年度の研究成果の主なものは次の点にある。 1.長期均衡為替レ-トの決定要因を,2国2財の世界成長モデル・均衡成長径路との対応で明確にした。特に生産性格差,政府の財政・金融政策に着目した。 2.Jカ-ブ効果が生じ貿易収支が均衡にむかっていない場合でも,為替レ-トに関する予測が安定的ならば,資本収支調整によって国際収支は安定し,為替レ-トも安定する。 3.関税政策と輸入割当政策が,価格・経済厚生などに与える効果を変動相場制のもとで検討し,2つの政策は長期的には同じだが,短期的には関税政策の方がインフレ-ションを強めることを明らかにした。 4.汚染物質の排出量決定に関して,各排出源の排出削減費用の和を最小化する基準を提起し,地球規模でのCO_2汚染について検討した。 5.国家機構,主権国家,個人(企業を含む)の3者関係において,国際機構の特権免除が個人救済という視点を欠落しがちであることを明確にし,特権免除に制限的免除を導入することを提唱した. 6.1人のプレ-ヤ-が複数のエ-ジントを持つという新しいタイプの2人定和逐次ゲ-ムにおける最適戦略の解の存在条件・性質を導いた。 7.3回の円レ-ト急騰をコンピュ-タによる実証分析し,1960年代の数量調整による貿易収支調整に代って,為替レ-トの変動こそが主要な調整機構になっていることを見いだした。 昨年度と今年度の研究成果をもとにして,まだ不十分な諸点(例えば生産性・経済力格差と国家のバ-ゲニングパワ-など)を深めて,出版したいと考えている。研究面においては出版のめどがたち,一定の成果をえたと思われる。
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