研究課題/領域番号 |
01450099
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
農業経済学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
天間 征 北海道大学, 農学部, 教授 (10003055)
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研究分担者 |
永木 正和 帯広畜産大学, 畜産学部, 助教授 (90003144)
廣政 幸生 北海道大学, 農学部, 助手 (00173295)
黒河 功 北海道大学, 農学部, 助教授 (90125310)
出村 克彦 北海道大学, 農学部, 助教授 (70091551)
長南 史男 北海道大学, 農学部, 助教授 (00113697)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
1990年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1989年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
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キーワード | 乳牛検定 / 淘汰更新モデル / 情報価値 / 乳牛改良 / 遺伝情報 / あいまい性 / 不確実性 / 情報財市場 / 牛群改良 |
研究概要 |
共同研究をすすめるに際して、乳牛検定および家畜改良の制度、技術の経済的評価を中心に、専門家を招き共同研究会を開催し、デ-タべ-スを構築し、代表的な絡農地帯である大樹町、浜中町における乳検加入農家アンケ-ト調査と生産実績調査とを結合したクロス分析によって共通の問題意識を堀り下げた。その上で、個々の専門分野から、さまざまな近代経済学的方法論を用いて接近した。まず、乳検情報の特質と情報価値についた、有用な価値ある情報の基準を、情報提供者と情報期待者との間の情報利用ギャップの大きさに求め、乳検情報のクラブ財的性質を明らかにした。さらに、乳検情報を活用することによって得られる便益と、乳検情報に対して支払われる費用との均衡において、その利用水準が決定されるという視点から、乳検情報の需要、供給関数の推定の枠組みを構築した。情報処理過程での不確実性の分析は、情報の利用から得られる生産者にとっての「最適解」が、経営主体の意思決定問題と、タイムラグを伴なう調整問題に密接に関わっていることを明らかにした。第2に、生産への直接的な情報の経済効果については、乳牛の淘汰・更新法について、乳検改良情報による判断と機会利得法による判断との具体的な比較によって、両者の不一致がかなり大きく、利用方法に改善余地があることを明らかにした。また、乳牛の生産供用年数が乳検情報、生産者の技術水準および情報利用水準などから、どこまで説明しうるかのモデル分析を展開した。さらには、一般酪農家とブリ-ダ-の行動の違い、乳牛改良速度の違いを分析することによって、長期的な技術政策において、生産者の有する「場」の情報の生成過程の重要性を明らかにした。地域システムとしての乳検情報利用については、すでに成果を挙げている十勝地域、さらにはその代表例として中札中村を取り上げ、農家レベルを超えた乳検システム活用の方法を明らかにした。
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