研究概要 |
国内米自由化を想定し,一稲作農村をモデル村として構造的対策となる研究を行い,以下の主な結果を得た. (1)国内自由化米価予測:従来の米価予測作業について検討を加えたが,更に独自の計量経済モデルによって均衡価格水準を予測した結果,現行価格(昭和63年ベ-ス)の約75%,13,000円という推計値をえた.5種類ほどの従来研究による平均値は12,000である.本研究では結局当該米価を12,000円とした. (2)国内自由化米価による稲作労働需要の計測(利潤関数分析):農業経営(構造改善)調査報告(農水省)東北地域個別表を用いトランスログ型利潤関数を計測し,米価水準と稲作労働力需要の関連を明らかにした.稲作労働力/米価の弾力性は昭和54ー59年の平均では3.08というすこぶる高い値が得られた. (3)農家人口,農業就業者数予測:コ-ホ-ト分析法による予測がおこなわれ,著しい減少と老齢化現象状態となることが示された. (4)国内自由化米価水準に対応する稲作組織:松尾村における人口動態,想定される米価水準という2大不利状態に対応するための特別な生産組織対応,すなわちX組織(経営オペレ-タ-連合型村農場方式)の意義が明かとなった. (5)X組織のコスト計測:X組織,すなわち松尾村の千戸,千ヘクタ-ルを素材とする村農場を設定した場合の米生産費を,気象条件,作付品種,耕地基盤条件などおも考量しながら積算した.60kg当たり費用合計,第2次生産費はそれぞれ8,034円,11,375円となり,現行米価に対して後者は68%となり,自由化米価水準を想定しても対抗可能となることが知られた. ※成果の公表を見合わせる必要がある場合は,その理由及び差し控え期間等を記入した資料を添付すること。
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