研究課題/領域番号 |
01450108
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
人文地理学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
青木 伸好 京都大学, 教養部, 助教授 (30067631)
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研究分担者 |
内田 忠賢 京都大学, 教養部, 助手 (00213439)
応地 利明 京都大学, 文学部, 教授 (60024212)
山田 誠 京都大学, 教養部, 助教授 (70086172)
金田 章裕 京都大学, 文学部, 助教授 (60093233)
足利 健亮 京都大学, 教養部, 教授 (90026823)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
1989年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
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キーワード | 都市 / 周辺空間 / 都市圈 / 都市・農村関係 |
研究概要 |
本研究は都市・周辺空間を各時代に分けて分析を行うと同時に、外国との比較研究をも行った。都市と周辺空間の関係は、各時代の特色がよく出ると同時に、地域・国家の特色及びその発展段階の違いが大きく関わることが判明した。まず時代の特色としては、産業革命以前の歴史時代とそれ以後の近・現代とでは根本的にことなることが明確になった。歴史時代は都市と周辺空間は一体化せず、互いに独立した地域としてとらえられ、周辺空間は農村空間であり、都市・農村関係の問題としてとらえられた。分析は主として商品流通の関係で行われ、都市と周辺空間の結合関係が析出された。一方、近・現代の都市・周辺空間の関係は両者を区別して分析されるだけではなく、一方では都市圈という一体化した空間の中でとらえることの必要性が判明した。原理としては都市と周辺空間を「結合の空間」とするばかりでなく、両者の「分断の空間」とすること、また周辺空間は統合された空間としてとらえられるものではなく、不統合の空間としてもとらえる必要が生じた。従って都市中心の機能分化がそのまま都市と周辺空間の関係となり、都市が周辺空間を分離させていく中で、周辺空間は都市の一部となり、対立と統合を深めていく。それ故、近・現代の周辺空間は旧来の農業・村落機能ばかりでなく、宅地化・工業分散・郊外大型商店・観光などを同時に扱う必要があった。これらの諸機能間は必ずしも結合関係ではなく、周辺空間はまとまりを欠くことになる。これをとらえる原理は現在の地理学にはなく、分断空間をとらえる原理が必要である。これについてはまず混在の質の比較研究を進めていくことから始めねばならないと結論した。またわが国の都市・周辺空間の関係は、欧米諸国に比べて、遅れて近代化をスタ-トさせた影響がよく出ていることも判明した。
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