研究課題/領域番号 |
01460052
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
固体地球物理学
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
伊藤 英司 岡山大学, 地球内部研究センター, 教授 (00033259)
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研究分担者 |
秋本 俊一 岡山大学, 地球内部研究センター, 教授 (50013462)
高橋 栄一 東京工業大学, 理学部, 助教授 (40144779)
中村 栄三 岡山大学, 地球内部研究センター, 助教授 (80201672)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
6,200千円 (直接経費: 6,200千円)
1991年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1990年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1989年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
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キーワード | 650km不連続 / ポストスピネル転移 / スラデダイナミクス / 超塑性 / 融解実験 / マグマオ-シャン / 中心核 / 軽元素 / 地球中心核 / 地球進化 / 溶融鉄 / 融解けい酸塩 / シリコン / カリウム / スラブ / ペロフスカイト / CO2 / サブダクション / 深発地震 / けい酸塩ペロフスカイト / 下部マントル / 沈み込むプレ-ト / 超高圧実験 / 炭酸塩 |
研究概要 |
MgSiO_4ーFe_2SiO_4系のオリビンースピネル転移、ポストスピネル転移の相平衡図の決定版を作成した。マントル中のスピネルは4km以下の深さ幅でペロフスカイト(Pv)相と岩塩型酸化物(Mw)に分解して、地震学的に鋭い650km不連続を生じさせることが明らかにたった。この相図から上部マントルの標準温度分布を決定するとともに沈み込むスラブのダイナミクスを検討した。その結果、スラブ中の2重地震面と400km以深の発震機構が明らかにされ、700km以深での急激な地震発生の消滅はPvとMwの細粒の集合体が示す超塑性に起因することが示された。 MgCO_3ーMgSiO_3系の高圧下での相平衡、融解関係を決定し、140km以深ではCO_2はMgCO_3としてマントル中に固定され、火成活動がその解放の唯一の機構であることが明らかになった。さらに、高温高圧下でのH_2O相へのCO_2の融解度の決定が行われ、サブダクション過程を含めたCO_2の循環が検討された。 下部マントル物質の融解関係を決定した。MgSiO_3Pvは23GPaでは約2500℃で一致融解し、25゚/GPaの正の勾配をもつことが明らかになった。MgOーFeOーSiO_2系のMgに富む組成での融解はMwとPvの共融関係で表され、初生液の組成が上部マントル下部のものよりSiO_2に富み圧力と共にこの傾向が促進されることが判明した。 鉄ーけい酸塩系の融解実験を行いSiO_2の溶融鉄への溶解が15GPaからはじまり圧力の増大によって促進されることが定量的に明らかになった。また、中心核中の熱源として注目されるKの溶融鉄への溶融が観られた。このような実験結果をもとにマントルー中心核の分離による化学組成の変動、中心核の軽元素、地球冷却に伴う中心核の進化についての検討を行った。
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