研究課題/領域番号 |
01460078
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用物性
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
山本 恵一 (山本 惠一) 神戸大学, 工学部, 教授 (80031087)
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研究分担者 |
青木 和徳 神戸大学, 工学部, 助手 (80112077)
林 真至 神戸大学, 工学部, 助教授 (50107348)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
1991年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1990年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1989年度: 4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
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キーワード | 半導体 / 超微粒子 / ラマン分光 / 赤外分光 / フォトルミネッセンス / ガス中蒸発法 / マトリックス法 |
研究概要 |
一般に固体表面層の分光測定は、困難を伴う。なぜなら、光と相互作用する原子数が極めて少なく、信号強度が非常に弱いからである。しかし、超微粒子はもともと表面が全体積に占める割合の大きな試料であり、比較的簡単に分光測定が行えるものと予想される。本研究は、主として赤外分光法とラマン分光法を用い、分光測定が超微粒子表面層の研究に有効であるか否かを調べることを目的として実施されたものである。 実際、ガス中蒸法で作製したSiやGeの超微粒子の表面酸化層(厚さが約20Åまたはそれ以下)による赤外吸収が、感度良く測定されることが明らかになった。さらに、吸収スペクトルの変化により、自然酸化、熱酸化のプロセスを解明することができた。また、表面増強ラマン散乱の状況下では、銀超微粒子の表面層からの信号が強く観測された。粒子サイズが50Å以下の極めて小さいGe超微粒子(SiO_2マトリックス中)からも、表面層からの信号が弱いながらも観測された。これらの観測例は全て、赤外分光法及びラマン分光法が超微粒子表面層の研究に非常に有効であることを物語っている。 本研究ではまた、ラマン散乱測定を通じてWO_3超微粒子の相転移を調べ、バルク結晶とは全く異なった相の存在を見いだした。このような新しい相の出現は、やはり表面の存在が大きく関与しているものと思われる。さらに種々の超微粒子試料に対して、共鳴ラマン散乱、光吸収、フォトルミネッセンスの測定を通じて、電子・正孔の閉じ込め効果、フォノンの閉じ込め効果をも明かにした。確かに量子サイズ効果は観測されるけれども、粒子サイズが小さい程表面効果が重要になってくる筈である。表面効果の重要性を、いくつかの具体例について指摘した。
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