配分額 *注記 |
4,900千円 (直接経費: 4,900千円)
1991年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1990年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1989年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
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研究概要 |
本研究の目的は,逆問題解析手法に基礎をおくき裂の測定法として研究代表者らがすでに開発した直流電気ポテンシャルCT法を,交流電気ポテンシャル法による表面き裂測定に拡張することにある.数値的および実験的検討の結果,以下の知見を得た. 1.2次元き裂の電磁場解析を行うため,交流定常状態を考えた定式化を行い,有限要素解析プログラムを作成した.交流電気ポテンシャル分布の測定結果は数値計算結果と比較的よく一致した.2.低周波交流および高周波交流のふたつの場合に対し,3次元物体の電気ポテンシャル分布を解析するプログラムを作成した.これらのプログラムを基礎に,低周波あるいは高周波の交流電気ポテンシャル分布をもとに,境界残差最小化法にしたがって表面き裂の形状を推定する逆解析プログラムを作成した.開発したふたつのプログラムを用いて,交流電気ポテンシャルから表面き裂形状を同定する数値シミュレ-ションを行った.き裂形状の探索には,最適化手法として修正Powell法を用いた.初期の仮定き裂形状によらずき裂形状の同定が可能であり,また2桁程度の電気ポテンシャルデ-タが与えられておれば形状同定が可能で,3桁以上のデ-タを与えられる場合にはかなりよい推定ができることがわかった.3.SUS304鋼およびSM41B鋼製の平板中に存在する表面き裂について,き裂同定の実験を行った.平板表面で実測された交流電気ポテンシャル分布をもとに,逆解析プログラムを用いて,平板中に存在する表面き裂の形状を推定した.その結果,電気ポテンシャル測定に技術問題は残るものの,開発したプログラムにより,き裂形状を推定することが可能であることが明らかとなった.4.き裂を効率的に同定するための最適化手法の適用とその効率化の方法を提案し,それらの有効性を示した.
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