研究課題/領域番号 |
01460136
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
電子材料工学
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
小長井 誠 東京工業大学, 工学部, 助教授 (40111653)
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研究分担者 |
山田 明 東京工業大学, 工学部, 講師 (40220363)
木村 龍平 東京工業大学, 工学部, 助手 (80161587)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
6,200千円 (直接経費: 6,200千円)
1990年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1989年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
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キーワード | ガリウムひ素 / MOMBE法 / トリメチルガリウム / 高濃度ド-ピング / ヘテロ接合バイポ-ラトランジスタ |
研究概要 |
本研究課題では、有機金属分子線エピタキシ-(MOMBE)法によりカ-ボンド-プ・メタリックp形ガリウムひ素(GaAs)を形成し、詳細な結晶性、電気的特性の評価を行うとともに、これを用いたメタリックベ-ス・バイポ-ラトランジスタの試作に成功した。 MOMBE法において、トリメチルガリウム(TMG)と固体ひ素を用いることにより、カ-ボンをGaAs中に超高濃度にド-ピングすることが可能となり、正孔濃度1.5x10^<21>cm^<ー3>、抵抗率1.9x10^<ー4>Ωcmという、現在まで報告されている中でも最も高濃度かつ抵低抗なメタリックp形GaAs層の形成に成功した。さらに他のド-パントに見られるような高濃度ド-ピング時の異常拡散も認められず、カ-ボンがヘテロ接合バイポ-ラトランジスタ(HBT)用のド-パントとして極めて有望との見通しを得た。しかし、超高濃度ド-ピングに伴い、結晶の格子定数が縮小し、正孔濃度1x10^<21>cm^<ー3>では、格子不整が0.5%になることが明かとなった。この格子不整を暖和するため、成長中にインジウムを添加してInGaAs層を成長した。現在まで、GaAs基板に格子整合したp形InGaAs(In組成〜5%)において、正孔濃度2.6x10^<20>cm^<ー3>、抵抗率6.6x10^<ー4>Ωcmを得ている。さらに、超高濃度ド-ピングに伴うバンドギャプの縮小が、正孔濃度1x10^<20>cm^<ー3>では100meV、5x10^<20>cm^<ー3>においては200meVにも達することを明らかにした。この現象を積極的に活用して、エミッタ、ベ-スともGaAsからなるpseudoーHBTを提案し、試作を行なった。pseudoーHBTではベ-ス層の超高濃度ド-ピングによるバンドギャップ縮小のため、従来形のHBTと同様、高いエミッタ注入効率、良好な高周波特性が期待できる。現在まで初期段階ながら、ベ-ス幅100nm、正孔濃度1x10^<20>cm^<ー3>のpseudoーHBTでトランジスタ動作を確認し、直流電流利得1.7を得ている。
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