研究課題/領域番号 |
01460142
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
電子材料工学
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研究機関 | 九州工業大学 |
研究代表者 |
古川 昌司 九州工業大学, 情報工学部, 助教授 (30199426)
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研究分担者 |
宮里 達郎 (宮本 達郎) 九州工業大学, 情報工学部, 教授 (90029900)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
5,900千円 (直接経費: 5,900千円)
1990年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1989年度: 5,200千円 (直接経費: 5,200千円)
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キーワード | シリコン / 超微結晶 / 室温可視発光 / 発光機構 / 3次元量子効果 / スパッタ / クラスタ- / バンドギャップ / ラマン散乱 / 微結晶 / 赤外吸収 / 層状弾性表面波素子 / 水素プラズマ・スパッタ / ポリシラン合金 |
研究概要 |
スパッタ法により水素100%の雰囲気で低温(約100K)基板上に作製した2元Si:Hは、バンドギャップが極めて大きくなり(最大、約2.4ev)、室温可視発光を呈する。本研究では、この様な特性を持つ材料の構造解析と発光機構の解明を目的とする。以下、(1)発光特性、(2)構造解析、(3)作製時の基板温度依存性、及び(4)発光機構、の順に研究成果を述べる。(1)スパッタ法により基板温度約100K、水素ガス圧力1Torr、rfパワ-55Wの下で作製したSi:Hの発光スペクトルは700nm近傍にピ-クを持つ(フォトマルチプライアによる測定)。ピ-ク波長は測定温度により変化し、液体窒素の沸点近傍で測定すると室温と比較して数10nm短波長側ににシフトする。また、発光強度も1桁以上増加する。これらの事実から、本発光は半導体の発光として矛盾無く、Si:H材料自体の特性であることが確認できた。(2)構造解析においては、X線回折、ラマン散乱、及び赤外吸収の各測定から、Si超微結晶またはクラスタ-の回りを水素がSiH_2またまSiH_3なる形で覆っているとするモデルを得た。(3)作製時の基板温度依存性について、水素100%の雰囲気で室温基板上に作製したSi:Hは(室温という比較的低温であるにもかかわらず)、多量のSi微結晶を含んでいることが明かとなった。この結果は、本スパッタ法による材料が微結晶化しやすいことを示しており、基板温度約100Kで作製した材料が超微結晶から成ることを示唆する。なお、室温で作製した材料ではSiHグル-プが中心となり、Xの伸縮振動波数は非晶質と比較して100cm^<ー1>程度増加することが判明した。(4)以上の事から発光機構としては、Siが超微結晶化またはクラスタ-化したことによる3次元量子較果が、現在のところ最も妥当であると考えられる。これにより、バンドギャップの増加(可視発光)と効率の良い発光を同時に説明することができる。
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