研究概要 |
本研究の目的は,デ-タベ-スシステムについて,DBMS,デ-タ設計,利用者インタフェ-ス,システム開発と実現などの全体を統合した,環境適応型の柔かい知的デ-タベ-ス環境の開発である。本年はその最終年度にあたり,これまでに行ってきた試作システムの拡充と利用実験を継続するとともに,成果のとりまとめを行った。おもな研究成果を次にあげる。 1.最適なデ-タベ-ス設計の知的支援に関しては,デ-タベ-ス設計相談システムを研究試作した。この過程で,関係デ-タモデルによる設計(正規化)理論の課題を明らかにし,またオブジェクト指向デ-タモデルによる設計方式を提案・実装した。 2.デ-タベ-ス生成支援に関しては,日本語入力支援機能の調査研究を行い,知的な入力支援を行う日本語入力システムを研究試作した。このシステムは,漢字かなまじり文における利用者の表記のゆれを自動検出し,利用者と対話することによってゆれを解消していく新して機能をもつ。試作システムを試用して,この機能が有効であることを確認した。 3.デ-タベ-スシステム運用のための専門家システムについては、具体的な成果をみるに至らなかった。 4.次世代デ-タベ-スシステムのあるベき姿について検討し,とくにその有力候補の一つであるオブジェクト指向デ-タベ-スの研究課題を明らかにした。オブジェクト指向という概念は有効であるが,デ-タベ-スの立場からみると,その定義のかたさ,継承のあいまいさなどに今後十分な研究が必要とされている。(以上)
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