研究課題/領域番号 |
01460154
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
電子機器工学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
中村 僖良 東北大学, 工学部 (00005365)
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研究分担者 |
山田 顕 東北大学, 工学部, 助手 (80134021)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
6,700千円 (直接経費: 6,700千円)
1990年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1989年度: 6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
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キーワード | 強誘電体 / 分極反転 / ニオブ酸リチウム / タンタル酸リチウム / プロトン交換 / 圧電性 / 圧電振動子 / 分域 |
研究概要 |
本研究の目的は、本研究代表者が見出したLinboO_3やLiTaO_3の熱処理により生ずる分極反展現象の特性と機構を解明し、反展分極を巧みに利用した新しい機能や特性を有する各種の圧電デバイスを開発することにある。計画に沿って研究を実施し、ほぼ予定通り目的を達成することができた。得られた重要な成果・知見を以下に要約する。 1.LiNbo_3分極反転層厚さの熱処理条件依存性を調べ、処理の温度が高く時間が長いほど反転層は厚くなり、分域境界は最終的には板厚の中央で止まることを明らかにした。また反転層の形成にはLi_2Oの外拡散が重要な役割をしていることを示した。 2.プロトン交換と熱処理により生ずる分極反転について、処理条件と反転層厚さとの関係を調べた。また誘電率と抵抗率の温度特性を測定した結果、表面のLi欠乏層でキュリ-点が低下するが、反転現象は焦電電界モデルでは説明できないことが明らかになった。 3.熱処理中の圧電レスポンスにより反転層厚さを推定する方法を提案し、反転分極が熱処理過程の初期に核発生することを明らかにした。 4.熱処理やプロトン交換により表面付近に形成される空間電荷が反転に重要な役割を演じている可能性を指摘し、そのモデルを提案した。これにより反転現象の大半が説明可能であることを示した。また多分域LiTaO_3をプロトン交換後、キュリ-点直下で熱処理することにより、板の両面に白発分極が外側を向いた単分極層が形成されることを見出した。これは、反転の機構が空間電荷電果によるものであることを立証する重要な結果である。 5.反転領域を選択的に形成する方法として、プロトン交換の際にマスクを用いる方法を提案した。 6.反転分域を応用したデバイスとして、実用高周波限界を従来の2倍にできる厚み振動子や周期的分域を用いた弾性表面波デバイスなどを提案し、試作によりその高性能性を実証した。
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