研究課題/領域番号 |
01460211
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
金属物性
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
西川 治 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 教授 (10108235)
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研究分担者 |
富取 正彦 東京工業大学 大学院, 総合理工学研究科, 助手 (10188790)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
7,200千円 (直接経費: 7,200千円)
1990年度: 4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
1989年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
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キーワード | 走査型トンネル顕微鏡(STM) / アトムプロ-ブ(AーP) / STM・AーP複合器 / 走査型トンネル電子分光(STS) / 電界放射電子分光器(FEES) / 位置感知型AーP / アトムプロ-ブ(A-P) / STM・A-P複合器 / 電子の状態密度 / 二極走査型トンネル映像法(DPTI) / 走査探針先端 / 電流映像型トンネル電子分光法(CITS) |
研究概要 |
原子的な高分解能を持つ走査型トンネル顕微鏡(STM)は、鋭い針先で試料面上を走査し、針先と試料面上の原子との間に流れるトンネル電流により試料面の原子配列描きだすと共に、各原子の電子状態を調べられるが、トンネルの特性は試料面のみならず針先にも大きく影響される。そこで、平成2年度の研究では、(1)超高真空装置内に、STMと針先の原子配列と各原子の質量、さらに電子状態が調べられるアトムプロ-ブ (AーP) とを組合せた複合器の完成、(2)STMの走査探針の形状と原子配列がSTM像と走査型トンネル電子分光 (STS) 特性に及ぼす影響の解明、(3)針先の原子配列を明確にするため、位置感知型AーPを開発、が計画された。 項目(1)と(3)には重複する点がある。(1)では、新しく作製された超高真空STM装置の試料準備用真空槽に、映像型AーPのイオン検出器である曲面型電子増倍器を装着し、針先の組成分布の分析を可能にしたが、この型ではある特定の原子の位置分析を知るか、位置は特定できないが針先の原子の全種類を知り得るかの何れかである。そこで、曲面型電子増倍器を位置感知型電子増倍器に置き換えると、このAーPは(3)の位置感知型AーPとなる。現時点では、高性能の位置感知型電子増倍器の入手が遅れていて、本研究の年度内の完成は危ぶまれている。(2)については、AーP内に電界放射電子分光器(FEES)を組み入れ、針先から電界放射で放出される電子をエネルギ-分析する事により、針先の電子状態を知り得る様にした。この方式により、シリコンの針先に水素が吸着すると、シリコンの表面準位は吸着量と共に消える事、また、モリブデンの針先に直径数十オングストロ-ムで単原子層厚のシリコンクラナタ-が付着すると、針先の電子状態は半導体的で、バルクのシリコンに近いスペクトルを示す事等を明らかにした。
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