研究概要 |
平成元年より3年間に得られた主な成果を以下に示す。 1.NiーZr合金系においてメカニカルアロイングによるアモルファス相形成範囲を決定した。またアモルファス相形成後の過剰ミリングにより客器やボ-ルからの不純物混入量が増大しアモルファ相が分解して結晶化することを示した。 2.非固溶系であるCuーTa合金がメカニカルアロイングによりアモルファス化することをX線回折中性子回折,EXAFS,DSC,附温比熱XPSにより明らかにした。 3.Cu_5Zn_8,NiZr,Fe_2B金属間化合物をメカニカルグラインディングして蓄積されるエネルギ-をDSCにより評価した。そしてアモルファス化に必要なエネルギ-を評価した。 4.CuBaとCuYを1:2に混合してメカニカルアロイングし原子レベルで混合したアモルファス的な構造の合金粉末を作製し,これを酸素雰囲気で熱処理することで高温超伝導体を合成する技術を確立した。また,メカニカルアロイング粉末をAgのシ-スにつめて,圧延した後酸化してAgシ-ス超伝導テ-プを作製する技術を確立した。 5.NiーZr及びCuーTa系において容器の温度を-150から200℃に選びメカニカルアロイングにおける環境温度が重要な役割を演ずることを示した。 6.アンモニア雰囲気でFeをメカニカルアロイングすることにより窒化鉄を作製しその生成過程と磁気特性を明らかにした。 7.FeーCr,FeーV及びCuーVを窒素雰囲気でメカニカルアロイングし,アモルファス化する過程を原子レベルで観察し窒素のアモルファス化における役割を明らかにした。
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