研究概要 |
現代ハイテクの要素技術であるろう付や探散接会の成否を左右するキ-テクノロジ-はインサ-ト金属の開発にあることから,本研究は次の三つの観点からインサ-ト金属の開発を行い,かつ,接合手法についても検討を行ったものである。i) 活性金属や強同な酸化皮膜を有する金属材料の接合を容易に行う。ii) 低エネルギ-接合(より低い温度での接合)を目指す。iii) セラミックスを金属に代表される異種材料の接合を容易にする。得られた研究成果の概要は次のようである。 1)活性金属である純チタンおよびチタン合金の一つであるTiーNi系形状記憶合金のろう付を行うべく,ろう材の開発を行ったが,純チタンについては,Zr基のろう材(Zrー47%Cu)で母材破断を起こす健全な接合部,大気中でそれが可能となるようなフラックスの開発を行い,きられAg基のろう材を作製した。 2)強固な酸化皮膜を有する代表金属であるアルミニウム,拡散接合性とろう付性を向上すべく,インサ-ト金属の検討と接合手法について考察した。アルミニウム母材内あるいはインサ-ト金属内にMgを約1%含有することによって,表面の酸化皮膜の還元が認められ,拡散接合性が向上することが知られた。又,アルミニウムのろう付を大気中で行らべくZn基のろう材を作製し,それと超音波を併用させることで,母材破断に到る強固なろう付継手が得られることが伴明した。 3)Ni基,Fe基とCu基の急冷凝固金属テ-プを試作して,その再力。熱途上での軟化特の接合への利用を図ったが,Cu基テ-プにおいて約300℃で軟化傾向を示したが,粘度不足で接合への利用は不可能であった。 4)アルミナあるいは窒化アルミニウムを純銅をろう付すべく、ろう材の開発を行い,一部成功しているが,現在継続中である。
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