研究課題/領域番号 |
01460241
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
補綴理工系歯学
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
安田 克廣 長崎大学, 歯学部, 教授 (50013884)
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研究分担者 |
有働 公一 長崎大学, 歯学部, 助手 (60145266)
久恒 邦博 長崎大学, 歯学部, 助教授 (20037526)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
6,900千円 (直接経費: 6,900千円)
1990年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1989年度: 6,200千円 (直接経費: 6,200千円)
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キーワード | 高分解能電子顕微鏡 / X線回析 / AuーCuーAg三元系合金 / 歯科用金合金 / 相変態 / 時効硬化 / X線回折 / 歯科用貴金属合金 / 規則ー不規則変態 / 長周期逆位相境界 / 電子線回折 / コヒ-レント相図 |
研究概要 |
擬二元合金AuCuー14at.%Agの相変態に伴う時効硬化特性夜電気低抗測定、硬さ試験、X線および電子線回析、透過および走査電子顕微鏡観察により検討した。本合金の規則化臨界温度は650K、スピノ-ダル温度は640Kと決定された。スピノ-ダル温度直下の623Kにおける時効硬化は準平衡相AuCuII規則相の核生成・成長過程に起因し、スピノ-ダル分解の寄与は認められなかったが、これよりも低い温度における時効硬化は2段階で生じた。最初に認められるのは急激な硬化で、これは高分解能電子顕微鏡観察の結果スピノ-ダル分解によって惹起される変調構造に起因することが判った。第2段目の硬化は準平衡規則格子相の形成によるもので、時効温度に依存してAuCu IまたはAuCuIIあるいはその両方の規則格子相の形成が認められた。平衡相AuCu I,AuCuII規則格子相およびAgーrichα_2相は粒界反応生成物としてラメラ構造を呈したが、これは硬化には寄与しないことが明らかになった。 一方、AgCuー40at.%Au擬二元合金の時効硬化特性に関して上記と同じ方法で実験をおこなった。この合金の組成はスピノ-ダル領域内にあるので、その影響は上記合金よりも顕著に現われた。硬化は2段階で生じ、第1段階はスピノ-ダル分解による変調構造により、第2段階は準平衡AuCu IあるいはAuCuII規則格子相の生成によって起こることが判った。本合金の規則化温度は620Kと決定され、平衡AuCu規則格子相はこの温度以下で安定に存在したが、準平衡規則格子相は648Kまでの温度範囲で生成され、このような規則格子相の生成に対して過渡的規則化と称することにした。この過渡的規則化は二元合金には見られず、三元合金に特有な現象であると考えられ、その原因について考察した。
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